国際海上輸出コンテナは、船積み前にVGM(確定総重量)の情報が必要。貨物だけでなく梱包材やコンテナ自重まで含めた総重量を確定し、船の積付けや安全運航に使う。
VGMは「中身の重さ」ではなくコンテナ総重量

海上コンテナを船へ積むとき、船会社が知りたいのは貨物の重量だけではない。コンテナ本体、貨物、パレットや梱包材などを含めた「総重量」が重要になる。この確定した総重量がVGMで、Verified Gross Massの略だ。
改正SOLAS条約により、2016年7月から国際海上輸出コンテナの総重量を定められた方法で確定し、その情報を船側へ提供する仕組みが運用されている。日本では、VGMを自ら確定する荷送人や、荷送人に代わって確定する事業者について届出・登録制度が設けられている。VGM情報と確定者の署名がなければ、原則として船積みできない。
量り方は「丸ごと計量」と「足し算」の2方式

VGMの確定方法は大きく2つある。方法1は、貨物を詰めたコンテナ全体を適切な計量器で量る方式だ。方法2は、個々の貨物、パレット、梱包材、固定材などを適切に計量し、その合計へ空コンテナの自重を加える。空コンテナの自重は扉などに表示されるTARE MASSを利用する。
どちらの方法でも重要なのは、推測や出荷伝票上の概算値ではなく、決められた手順で総重量を確定することだ。コンテナ1本で数十トンになるため、数トン単位の誤差が多数積み重なれば船全体の重量バランスへ大きな影響を与える。
重量違いは船の安定性と荷役安全を狂わせる

コンテナ船は、各コンテナの重量を基に積付け位置を計画する。重いコンテナを上段へ集中させれば船の重心が上がり、安定性に影響する。想定より重い箱をクレーンで扱えば、荷役設備や車両の安全にも関わる。過去には申告重量と実重量の差が荷崩れなどの事故要因として問題になった。
VGMは単なる輸出書類の数字ではなく、船の復原性、コンテナスタックの強度、クレーン作業まで支える安全情報なのである。港へコンテナを持ち込んだ時点で初めて重さを考えるのではなく、輸出物流の前段階で正確な重量を確定し、関係者へ伝えることが求められる。

