
トラックドライバーや物流で使われる専門用語は無数にあるが、今回は荷物に関する物流業界ならではの専門用語を紹介しよう。日夜、物流を支えて走るトラックドライバーたちがSNSなどでも呟く専門用語。知っていると、より物流が身近に感じられそうだ。
マイナス
「マイナス(マイナスセット)」とは、トラックから積んでいた荷物を降ろすこと。この逆に、荷物を積み込む作業は「プラス」だ。例えば「大阪でプラスして神奈川でマイナス」というのは、大阪で荷物を積み込んだ後、神奈川県で荷物を降ろすという意味だ。
帰り便
目的地から出発地点(営業所)に戻るのが「帰り便」であり、荷物の配送先から帰社する復路で別の荷物を運んでくることを指す。配送を終えたトラックの荷台が空のまま戻ると、そのぶんの人件費や燃料代、高速代などが無駄になるため、帰りも荷物を積んでくることで利益をアップするのが目的だ。

親伝
読み方は「おやでん」。荷物に貼り付ける送り状のこと。送り状には配達先と送り主の情報を記載する。送り状は荷物を配達先へ届ける際に必要になり、受取人の捺印やサインといった受領印をもらうことで配達した証明になる。
判取り
受取人から受領印やサインなどをもらう作業。受領印をもらった伝票は、誤配などが起きたときの確認などに使われる。

完納
予定している荷物をすべて納品したと言う意味。「完全納品(完全納入)」の略語。完納は、複数回にわたって納品した場合に使用する用語であり、一回で終わった納品に対しては使われない。
直積み
パレットやコンテナを使用せず、直接荷物を積み上げること。パレットやコンテナを使用しない積み方のため、荷物はすべて人力で積むことになる。力を使う肉体労働なので、ドライバーからは敬遠されがち。
口割れ
届けなければならない個数と、実際に届けした個数が一致しないこと。いくつかの荷物を同じ場所に送るケースでは、送り状を荷物ひとつに貼り、残りの荷物にはシールなどを貼って送ることがあるため、口割れを起こすことがある。
たち便
出発地(営業所や倉庫など)から出発し、目的地まで運送すること。帰り便の逆。

縦持ち
マンションやビルで1階から上層階、3階から2階へなどというように、上下に移動しながら荷物を運んだり降ろしたりする際に使用される。
横持ち
トラックに積んである荷物を別のトラックや小型トラックに積みかえて配達することを「横持ち」という。荷物を手作業で移動させることがほとんどで、直積みと並んできつい仕事といわれる。
積みどまり
目的地まで荷物を運んだが、受取人不在によりトラックに荷物を積んだままになってしまうのが「積みどまり」。積みどまりは、受取人の会社が休みで不在の場合に起きやすい。
宵積み
「宵積み」は出発前日に翌日配達する荷物をトラックに積み込んでおくことを意味する。
