さよなら、サービスエリアにある絶景温泉

中央自動車道に設置されたサービスエリアは数多くあるが、そのなかでも眺望が良いことで人気があるのが長野県にある諏訪湖サービスエリアだ。

上下線ともに目の前に諏訪湖が広がるため、おすすめサービスエリアとして挙げるトラックドライバーも少なくない。そこで今回はその諏訪湖サービスエリアを訪れてみた。

しかし、筆者が諏訪湖サービスエリアに出向いた理由は、その景色を楽しむことのほかにもうひとつある。それは同SAにある絶景温泉を見届けるためだ。

「見届ける」と書いたが、実は諏訪湖サービスエリアの上下線にそれぞれある温泉施設は、上りが2026年1月頃、下り線が2025年10月頃に閉鎖予定となっている。

長野方面まで出向く機会が少ないことに加え、景色の良い温泉施設があるサービスエリアも珍しいことから、目的の諏訪湖サービスエリアまでクルマを走らせた。

サービスエリアに到着すると、多くのドライバーが推すのも納得の景色が眼前に広がっている。そして、ビューポイントには「恋人の聖地」と書かれたモニュメントが設置されている。

なぜ、ここが恋人の聖地となっているのかを調べたところ、以下のような経緯があることがわかった。

ファッションデザイナーの桂由美氏や、華道家の假屋崎省吾氏が運営しているNPO法人が主催する「恋人の聖地プロジェクト」というものがあり、これはプロポーズにふさわしい場所を「恋人の聖地」として認定しているのだ。そして全国139ヵ所あるうちのひとつとして諏訪湖サービスエリアの展望デッキが選ばれたというわけだ。

さて、そんなロマンチックな場所を後にして、さっそく目的の温泉施設に向かうことにする。飲食店、お土産コーナーなどがある施設のなかを通って、少し裏手に進むと、ありました温泉施設。その名も「ハイウェイ温泉 諏訪湖」。

営業時間も10時から21時30分と長い。休息を取るトラックドライバーにとっては嬉しいポイントだろう。そのまま温泉施設の前までやってくると……。え?

当たり前だが、やはり閉鎖の話は本当だった。上下線で閉鎖の時期は数か月のズレはあるものの、2026年の春は迎えられないようだった。この取材が2025年6月なので、ここで諏訪湖を見ながら温泉に入れるのは長くても、あと半年程度だ。

施設のなかの様子も紹介したいところだが、平日の昼間にも関わらず何人かの観光客と、お風呂セットを手にしたトラックドライバーがドアをくぐって入っていったため、ここでは外観とNEXCO中日本のだHP掲載の画像でお許しいただきたい。

諏訪湖の景色を楽しみながら、お風呂に入れる素晴らしい施設がなくなってしまうのは寂しい限りだが、その閉店理由は施設の老朽化と、周辺の温浴施設が増えたことによる利用者の減少とのことだ。今回訪れたのは平日の午後だったが、何人も温泉に入っていく人を見かけたのは、たまたまだったのだろうか。

この温泉がなくなることで、トラックドライバーのお風呂事情が少し心配ではあるが、近隣にはコインシャワー整備の双葉SA(上り・下り)が2025年9月下旬に、駒ヶ岳PA(上り)2025年4月25日にオープン予定だ。

とはいえ、絶景温泉はなくなってしまうのは残念だ。

最後に筆者が最近お気に入りのみちまる君のぬいぐるみをゲットして記念品にしようと思ったが、3回の挑戦でも獲得できず、そのまま諏訪湖サービスエリアを後にしたのだった。

もし、諏訪湖サービスエリアの温泉を楽しみたい方は、早めの訪問をお勧めする。

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