
荷物の移動に特化した乗り物フォークリフトは、その操作方法や構造などが独特なことはご存じのとおり。そして、それに加えて性能や仕様を表す諸元も一般的な乗用車とも大きく違うのです。乗用車の場合は、ボディサイズやエンジン型式、装備などが一般的ですが、ここではフォークリフト特有のスペックについて紹介していきましょう。
全長
車両の最大の長さを表しているが、一般的な乗用車の全長と違うのは車体だけの長さを指しているのはないという部分。フォークリフトの場合はフォークやマストの部分も含めた全体の長さを全長と呼ぶ。
全幅
最大幅のことで車体の左側面から右側面の長さを表している。左右でもっとも出っ張った部分を測ったものが全幅。
基準無負荷状態
マストを垂直にし、フォークを水平にし、フォーク上面を地上300mmとした無負荷状態のこと。
最小旋回半径
基準無負荷状態での前進時最大かじ取り角、最低速度での旋回時に車体の最外部の描く軌跡の半径のこと。つまりハンドルを目いっぱい切った状態での小回りできる半径のこと。

最小直角通路幅
車両が直角に曲がる際、曲がり角に進入する前の道幅と進入した後の道幅が同じであった場合の「通行可能な」最小の道幅のこと。車両の小回り性を示す指標値。
直角積付け通路幅
フォークリフトが荷物を積載した状態で直角に旋回し、荷物を出し入れできる通路幅のこと。「積付け」は「つみつけ」と読む。保管エリア(特にパレット保管)の通路幅を考える時に重要なポイントとなる。カウンタータイプとリーチタイプで通路幅の求め方が異なる。
最大揚高時高さ
どのくらいの高さまで荷物をリフトアップできるのかを表す数字で、フォークを最高位置まで移動させたときの、地面からフォーク水平部の上面までの高さのこと。「最大揚高」は「さいだいようこう」と読む。バックレスト(荷物がマスト後方に落下するのを防ぐためについている荷受け部分)の高さは含まない。

マスト高さ
フォークを昇降させるためのレールの役割を果たす箇所がマスト、このマストを垂直にし、フォークを一番下まで降ろした状態でのマスト最上端までの高さを指す。
ヘッドガード高さ
荷物が落下した際にオペレーターを守るヘッドガードが地面から何メートルの高さにあるかを表す数字。
無負荷状態
車両が燃料、冷却水、潤滑油、作動油等を積載して稼働に必要な整備をし、荷重を積載しない状態のこと。
基準負荷状態
基準荷重中心に最大荷重を積載し、リーチ機構をもつものには、リーチを完全に戻し、マストを垂直にし、フォークを水平にし、フォーク上面を地上300mmにした負荷状態のこと。
負荷状態
車両が燃料、冷却水、潤滑油、作動油等を積載し稼働に必要な整備をし、荷重を積載した状態をいいます。

このように、フォークリフトには一般的なクルマと違う諸元がいくつもあります。なかでも高さや回転半径に関することは業務上で重要な項目であり、フォークリフトを選ぶうえでは欠かせない情報となっています。