地域密着型の小規模物流倉庫ってどんなところ?

あるきっかけで地元の物流倉庫にコネクションができたことで、普段はあまり見ることのできない物流倉庫の内部に入ることができた。高速道路のインター脇に建設されている大型の物流センターとは違う、地域密着型の小規模倉庫だ。

そこで今回は物流倉庫がどんな場所なのかを実体験を交えたレポートをお届けしよう。

まず今回の倉庫だが2階建てとなっていて、そこにカウンターフォークリフト、リーチフォークリフト、ウォーキーフォークリフト、ハンドフォークリフトが勢ぞろいしている。

しかし、実際の荷役作業を観察していると、リフトマンが操作するのはリーチフォークが多い。このことを聞いてみると、倉庫内がそれほど広くはないので、小回りが効くリーチフォークが圧倒的に便利だとのことだった。逆に重い荷物を運搬できるカウンターフォークを使うのは、リーチフォークで運んできた荷物をトラックに積み込むときか、その逆で下ろすときに使うそうだ。

素人からすれば、フォークリフトを使い分けるという発想がなかっただけにこれにはちょっとびっくりした。

一階部分では常にリーチフォークが動き回っているが、2階部分はどうだろうか。さっそく2階に上がってみる。基本的に物流倉庫はその名前の通り物が常に動いてこそ利益が上がる。そのため効率よく荷物を保管管理する必要があるのだが、2階部分は出荷予定が先であったり、まだ動かす予定がない荷物が置かれていることが多い。そうした中で、倉庫の2階に上がると、ウォーキーリフトやハンドリフトが置かれていた。 

この時に気が付いたことは、倉庫内の室温の高さだ。

訪れたのが夏場だったこともあるが、倉庫内はじっとしているだけで汗が噴き出るほどの室温だった。よほど最先端の施設でないかぎり倉庫内部は夏が暑くて冬は寒いのが一般的。

これは建物の構造がシンプルなことが理由だが、季節によって比較的過ごしやすい場所があると教えてくれえた。

例えば夏場であれば2階は屋根からの熱が伝わってくるので室温が上がるのだが、2階部分も荷物が置いてあるので、その荷物が熱を遮るおかげで1階部分は比較的室温が低くなる。

逆に冬場は屋根からの熱で室内が暖められるため、二階のほうが暖かく過ごしやすいのだそうだ。

ちなみに夏と冬のどちらが過ごしやすいかベテランフォークマンに聞いたところ「それは絶対に冬!」だそうだ。ここ数年の夏の暑さが異常なので、とくにそう感じるのだとか。

さらに観察を続けていると、実にたくさんの人が倉庫にはやってくることは実感できる。そして、訪れるトラックドライバーにもいろいろなタイプがいるということも発見だった。

あるドライバーは荷物を引き取りに来たのか、その場にいた筆者にとても丁寧な挨拶をしてくれた。また軽自動車で登場し、手慣れた様子で荷物を受け取りあっという間に走り去る人もいれば、ウィング車の運転席から降りてきたかと思えば、そのままリーチフォークを見事に操って荷物を運ぶドライバーもいた。

倉庫の社員の方に聞いたところ、大型トラックに乗ったトラガールもやってくるとのことだったが、残念ながらこの日は遭遇できなかった。ちなみにその女性ドライバーの前職は動物園の飼育係だったというから、機会があればぜひ会って話が聞いてみたいと思った。

物流倉庫に何が置かれているのか興味がある方は多いと思う。そこでどんなものが物流倉庫にやってくるのか、その一部を紹介しよう。

筆者が訪れたときは段ボールに入った衣類、液晶モニター、小型の酸素ボンベ、電線などが目についたが、このほかにもサーバー用の大型ケース、牛の飼料を入れる容器などの巨大でかさばる品物も預かることがあるとのことだった。

今回は短時間で物流倉庫の一端を垣間見ただけだが、外側からではわからない発見も多くあり非常に興味深かった。普段では入れない場所だけに取材に協力してくれたことに感謝申しあげたい。まだまだ聞きたいことはあったが、それまた次の機会に取っておこうと思う。

取材・撮影協力

(株)ロジ・テック トーシン 神奈川県川崎市宮前区馬絹2-2-31

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