渋滞情報って、どうやって調べているの?

高速道路などでよく見かける渋滞表示。急いでいなくても、この先渋滞という表示を見ると一気にテンションが落ちる人は多いだろう。今ではナビゲーションアプリの発達もあり、高速道路に乗らなくてもある程度の渋滞情報意を把握することはできるだが、ではどうやって渋滞の距離や、通過予測時間を計算しているのだろか。

まず高速道路の渋滞の定義だが、これは「時速40km以下で低速走行あるいは停止発進を繰り返す車列が、1km以上かつ15分以上継続した状態」とされている。この条件に当てはまった場合は「渋滞」。逆に「時速50kmを越えて車列が流れる状態」は渋滞してないとなる。(ただし、東京外環道や京葉道路、アクアラインなど都市部の高速道路では、この定義によらず、時速25km以下、時速20km以下など、路線毎に違った基準値が定められている)

それを踏まえたうえで、車の速度が時速40km以下になっていることをリアルタイムで測定する必要があるわけだが、この方法には3つの方法がある。では順にその測定方法を説明していこう。

「トラフィックカウンター」

高速道路には「トラフィックカウンター」と呼ばれる計測器が埋め込まれており、さらにトラフィックカウンターにはループコイル式、画像処理方式、超音波方式があるこれは設置する場所によって最適なものが選ばれている。

ループコイル式は、道路に埋められたコイル(磁気センサー)に電流を流し、車両が通過することによる磁気の変化を利用して速度を計測するシステム。車両の金属にのみ反応するため、人や動物による誤作動が少なく、駐車場ゲートの開閉や車両の通過検知、速度計測などに幅広く利用されている方式だ。

いっぽうで、画像処理方式はカメラを使用し、車間距離や移動速度などを画像認識技術により渋滞を検出している。現在では高速道路上に設置されている既設カメラ映像を、「AI画像処理装置」に接続し、画像処理を行い、渋滞だけなく、車両停止、落下物なども検知した、その場合は道路管制センターのスタッフに通知される。そして、管制センターのスタッフが実際のカメラ映像と通知内容を比較し、道路情報板の表示等に反映するという流れだ。ちなみに通知内容とカメラ映像の確認結果に差異があった場合には、AI画像処理装置にフィードバックされ再学習するシステムとなっている。

最後に超音波方式だが、これは超音波を一定周期で発射し、反射波を用いて交通量を計測している。感知器ヘッドから超音波を周期的に発射し、車両の存在を感知するシステムだ。

こうした各トラフィックカウンターは首都圏近郊では2kmおき、首都高速道路では300mから600mの間隔で設置されており、通行した車両の台数や小型車・大型車などの判別、通過速度などを計測し、その情報はリアルタイムで道路交通管制センターに送られ、その結果が渋滞情報としてドライバーに届けられるというわけだ。

最後に渋滞ネタをひとつご紹介しよう。高速道路の渋滞は大きく分けて3つあり、それぞれ「道路の交通容量以上に交通が集中することに起因するもの」「交通事故ゆえに起因するもの」「高速道路における維持改良工事に起因するもの」に分類されている。

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