
重いものを日夜運び、長距離を移動するトラック。なかには100万キロオーバーの走行距離を誇る個体も珍しくない。しかし、いくらトラックが頑丈に作られているとはいえ、やはり経年劣化によるトラブルは避けられない。故障する分もエンジンやミッションという大きなパーツであることもあれば、電装系や消耗品などの場合もある。そんなとき、トラックを修理するパーツについて選択肢が3つある。
ひとつ目は故障した部品を新品に交換する方法だ。しかし新品部品はコストが高くなるのがネックといえる。特にここ最近では半導体不足もあり、とにかくクルマのパーツ全体が値上がり傾向にあるため、コスト高は顕著となっている。
そこで次に考えられる選択肢だが、「中古品」や「リビルト品」の2種類がある。ではリビルト品とは何か? 中古品との違いはあるのか!? という部分を解説していこう。
中古品は日常でもよく聞く言葉だが、もちろんトラックパーツにも中古品がある。トラックの中古部品は、廃車するトラックを解体するときに、使えそうなパーツだけを取り外したものだ。基本的に解体時に装着されていたままの状態であることが多い。もちろん正常に動くかどうかは確認されているが、パーツによっては消耗品を組み込んであるパーツもあり、それがいつまで機能するかは保証されないのが普通だ。
しかし価格は安いので、故障した部分や修理するトラックの寿命などを考慮して、少しの間だけ乗れればいい場合や、とにかく安く修理したいというときには、中古パーツを選ぶことで修理費用を安く抑えることができる。

一方でリビルト品とは中古品ではあるものの、再度使用できるように整備された物なので、中古品とは違い動作確認はもちろん、交換後にすぐに壊れてしまうという心配はない。分解・修繕・洗浄・再構築・検査などを施し、洗浄も丁寧に行い再塗装もするので、外装も新品に近い状態になっているので、中古よりも信頼性は格段にアップするのだ。
しかし、当然ながら様々な手間がかかるので新品よりは安いが、中古品よりは高いという価格設定となる。このリビルトパーツは新品に近い性能が得られるうえに価格も新品よりも安いというのが最大のメリットなので、修理にリビルト品を選ぶのは大いにありなのだ。

しかし、デメリットもないわけではない。基本は中古品のため見えない劣化も存在するし、国によるリビルト品に関する基準は設けられていないため、質のばらつきがある。またパーツによってはすぐに手に入らないこともあることは考慮したほうがよいといえる。
こうなると中古品にも注目したいところだ。
リビルト品よりもさらに価格が安いのが魅力だが、保証がないことがほとんどなので、故障が直るという安心を買うなら選択肢には入らないかもしれない。
とはいえ新品、リビルト、中古、それぞれにメリットも多いので、状況にって使い分けるのが賢い方法といえる。
