巨大なトラックを支えるタイヤのお話

一般的な乗用車よりもはるかに大きなトラック用タイヤですが、サイズや性能はタイヤの刻印を見れば確認することができるのをご存知でしょうか?

タイヤサイズの確認はメーカーのホームページで確認できるのですが、それ以外でもタイヤの側面部分(サイドウォール)の刻印から判別することができるのです。

そこで今回はタイヤのスペックを刻印から読み解いてみましょう。

まず基本的な事項として、トラックタイヤには以下のような役目と特徴があります。タイヤはトラックそのものの重さに加えて、ドライバーや積み荷の重量をすべて支える必要があります。さらに、クルマを発進させたり、ブレーキをかけたりする役目と、クルマの方向を変えたり、まっすぐ走行するための役目。そして 路面の凹凸による振動を吸収し、緩和するのがタイヤです。

そして乗用車とトラックのタイヤの空気圧には大きな違いがあります。一般的な乗用車と大型トラックを比べた場合、大型トラックは乗用車の約10倍の重さがあるといわれています。そのため、タイヤの空気圧にも大きな違いがあり、一般的な乗用車の空気圧は200kPa(キロパスカル)程度であることに対してトラックの場合は900kPaを必要とする種類もあるのです。

では次にタイヤのサイズや性能についての表記を見ていきましょう。基本的にタイヤの側面(サイドウォール)には「275/65R22.5 155/158L」のように、英語と数字を組み合わせて刻印されており、それぞれの数字が意味を持っています。

では①295/②65③R④22.5 ⑤155/158⑥Lを例に挙げて説明します。

 ①タイヤの幅です。トラックを正面から見た際のタイヤの幅を表し、この場合は295=295mmということを意味します。

②タイヤの偏平率を表しています。扁平率はタイヤの幅に対する偏平率を意味し、この場合は65%です。

③タイヤの構造上の種類です。Rはラジアルタイヤであることを意味します。

④タイヤの内径です。タイヤに装着されているホイールのサイズを表し、この場合は22.5インチということを意味します。

⑤155/158と書かれている部分はタイヤの荷重指数(ロードインデックス)を表し、トラックのタイヤを指定の空気圧にした場合にタイヤが支えられる負荷能力を意味します。

この場合は155が単輪の場合、158が複輪の場合の荷重指数です。

⑥速度記号です。荷重指数の範囲の負荷がかかった状態で走行可能な最高速度を表し、Lの場合は120km/hまで、Jなら100km/h、Hは210km/hまでということを表します。

パーキングエリアなどで停まっているトラックのタイヤを見てみると、大きさや車種によってタイヤのスペックが違ってることがわかるはずです。軽トラックなどはタイヤも小さく、一般的な乗用車と同じですが、公道を走れる重機や大型トレーラー、ウィング車などは、それぞれの車格にあったタイヤがチョイスされているのです。

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