おさかな天国 漁港にまつわる雑学あれこれ

漁港とは漁船が漁業活動を行うために利用する港とのことだが、わたしたちの食卓に魚が並ぶのは漁港という施設と、それを運ぶ物流システムがあるからこそ成り立っている。全国に数ある漁港のなかには観光スポットとなっている場所も多いが、今回は漁港にまつわる雑学を紹介していこう。

ます漁港の種類は、次の5つに分けられている。それが、特定第3種、第3種、第2種、第1種、第4種だ。これらは重要度によって区別され、特定第3種から順番に重要度が下がっていく。

重要度が最も低い第4種漁港は、離島など僻地の漁場開発の拠点や避難場所としての役目もある。ただし、離島にある漁港がすべて第4種漁港というわけではなく、重要度が高い港も存在する。

次に第1種漁港だが、こちらは地元で完結するタイプの漁業が主流の港のことだ。これに次いで重要度が一段高くなると第2種漁港になるが、これは漁業の範囲は第1種漁港より広くなる。

そして第3種漁港となると遠洋漁業などと大きく関係してくる。第2種漁港との違いは全国的であるかどうかという部分だ。

そして、最高峰の特定第3種漁港は全国的であるだけでなく、その土地の漁業振興の要であると指定された港になる。特定第3種漁港は本州と九州にのみ分布し、全国に13港あるが、気仙沼、銚子、下関、焼津などいずれも有名な漁港ばかりだ、

では次に漁港で水揚げされた魚が活魚車で運搬されるまでの作業一例を紹介しよう。

魚は空気に触れている時間が長いとストレスがかかってしまうため、少しでも早く戻す必要がある。そのため、手早く作業して活魚車へ移動させることが重要だ。このとき、急激な環境変化は魚にとってよくないことから、活魚車の水槽には電気がつき明るく保たれているのだ。さらに生簀と活魚車の水槽とは環境が異なるため、活魚車の水槽に入れた後3~4時間は動かさず魚たちが落ち着いてから出発させている。

ちなみに活魚輸送に汎用される25トン活魚車の価格は4500万円(ベース車両1700万円、水槽1200円万、冷却機800万円、その他設備800万円)であり、一般的に使用される25トン活魚トラックの1回輸送委託費は45万円だというから、鮮魚を輸送するにはそれなりのコストがかかることが伺える。

では最後に少しだけ。知っているようで詳しく知らない漁港関連の用語について説明しておこう。

活魚(かつぎょ)

活魚とは、一般的には泳いでいる魚のことを指すが、産地では販売時に魚が生きている状態のものだけでなく、活〆にされたものも活魚の範囲に含めているところがある。このことから、活魚は生きている魚だけでなく〆られている魚のことも指す。

漁獲量(ぎょかくりょう)

海面漁業により採捕したすべての水産動植物の採捕時の原形重量のことで、乗組員の船内食用、自家用(食用又は贈答用)及び自家加工用を含む。

出荷量(しゅっかりょう)

漁港等に水揚げされた水産物のうち、当該産地(調査区)以外に出荷した水産物の数量のこと。

冷凍フィレー(れいとうフィレー)

魚体を2枚ないし3枚におろし(皮を付けたものと皮をはいだものを含む。)凍結したもののこと。

活き魚(いきざかな)

消費地まで生かして流通させることを目的に、活魚用の輸送手段(活魚運搬車、氷眠等)により出荷されたものを指す。

活〆(いきじめ)

活〆とは、一般には魚の急所の延髄を包丁又は手鉤で締めて即殺し、十分に血抜きをしてから海水で洗浄して、魚を死後硬直の状態で出荷する形態のこと。

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