要注意! トラックの乗り降りで気を付けることと無事故のコツ

大型トラックともなれば運転席は非常に高い位置にある。視線の高さは平均で2.4m~3mと、気軽に飛び乗ったりできることはできない。さらに運転席1m~1.5m程度の高さがあるため大型トラックには足をかけるステップやハシゴなどの装備があるわけだが、乗降の際に、足を滑らせてしまい、地面に落下してしまう事故も少なくない。

そこで今回はトラックの乗降に関する話題をお届けしよう。

乗降時の落下事故を未然に防ぐためのコツとして「3点支持」というものがある。これは後ほど説明するが、事故にはこんなパターンがある。

運転席方向を向いて降車していたが、ステップ3段目で足を滑らせてしまい、お尻から墜落した。これにより骨盤部の骨折。

運転席から降車する際、ステップ2段目に左足を置き、1段目に右足を置こうとしたときに足を滑らせてしまい、後ろ向きに約1m墜落。これは頭部打撲という事故だった。

このように降車時に、ステップ上で足を滑らせてしまうことは珍しくないのだ。

ではどうして足を滑らせてしまうのか? これは、ハシゴやステップが濡れていることや、荷物を持っての乗降などが原因として挙げられる。さらに積載時と空荷のときで車高が変わったことを忘れ、地面に足が届かなかったという事例もある。

こうした落下事故を防止するためにも、前出の「3点支持」が有効な手段となる。これは両手・両足の4点のうち3点により 身体を支えることを指す。

具体的には右手、左手で運転席のグリップを掴み、右足をステップに乗せる。この状態は常に4点のうち、3点で身体を支えていることになるため乗降時の安定性を高めることができるのだ。

さらに何も手に持たない、 運転席側を向いて昇降すること、必ず片足がステップや地面についてから、次の動作に入ることを意識すると、より安全性が高くなる。

一見、普通の行動に見えるトラックの乗り降りだが、落下の危険性を考えると、慎重に行う必要があることがわかるだろう。

さらに落下時にひとりになったときに頭部を打つ可能性を考えれば、ヘルメットの着用は必須と言える。

最後に、トラックの乗降に関する知識として、日常的に高い場所に乗り降りするドライバーは、運転の疲労はもちろんだが、太ももの筋肉痛に悩まされることも少なくないという。よくよく考えてみれば、1メートルのハシゴを何回も往復するのと同じ動作なので、これは職業病と言ってもおかしくないだろう。

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