
あまり聞いたことがない単語だが、実は身近で誰でも知っているのが「はい作業」だ。物流業界の基本ともいえる作業で、この「はい」とは「灰」のことではなく、「はい、いいえ」の「はい」でももちろんない。「はい」とは、倉庫や上屋、土場などに積み上げられた段ボールや木材、フレコンバッグに入ったバラ荷などの荷物の集団のことで、「はい作業」とは、これらの荷物を積んだり下ろしたりする作業のことを意味する。
そしてこのはい作業を行なうために重要な資格として、はい作業主任者というものがある。倉庫などではい作業を行なうためには、はい作業主任者の資格所有者を現場にひとり以上置く必要があるのだ。つまり物流の現場では必須の資格ということになる。
では、はい作業主任者の資格とは具体的にどんなものなのかを説明していこう。
はい作業は重量のある荷物を高く積み上げるため、事故のリスクが非常に高い作業といえる。荷崩れや作業している際の転落事故、機械からの荷物の落下など現場には隠れたリスクが多くある。このリスクを可能な限り減らするために、十分な知識や技能、経験によって現場の安全管理を徹底するのがはい作業主任者なのだ。

具体的な業務内容は、作業の指揮と管理、使用する器具や工具の点検と管理、はい作業を行なう周辺を通行する人への安全確保や、適切な行動の指示、作業前に、荷崩れなどの危険が無いか確認、はいの上に登って作業する場合に、安全に昇降するための装置を準備し、保護帽を正しく被っているかどうかの確認などがある。
これだけ見てもはい作業管理者は隅々まで現場をコントロールする必要があることがわかるだろう。
では、このはい作業主任者はどのような流れで取得できるのか、条件や内容と一緒に説明しよう。まず取得条件だが、満21歳以上であることと、はい付け、もしくははいくずしの実務経験が3年以上となっている。このふたつの条件をクリアしていれば試験を受けることができる。つまり年齢以外に実際の業務経験が必須だということだ。

次にはい作業主任者の資格を得るための講習内容を見ていこう。はい作業者技能講習規程で定められている講習日程は以下のとおりだ。
・はいに関する知識(3時間)
・人力によるはい付け または はいくずしの作業に関する知識(5時間)
・機械などによるはい付け または はいくずしに必要な機械荷役に関する知識(3時間)
・関係法令(1時間)
・修了試験(筆記)
上記が講習内容となるが、もちろん最後の筆記試験に合格しなければ資格は取得できない。
このはい作業主任者技能講習は12時間を2日間で行なうが、合格率はほぼ100%となっているので、取得の難易度は低いといえる。また受講場所も東京労働基準協会連合会、陸運労災防止協会などの労働基準協会連合会や民間の教習機関(キャタピラー教習所、コベルコ教習所など)で受講できる。全国展開している教習センターのウェブサイトで、開催日程や場所を確認して申し込むのが一般的だ。

