トラックって乗用車とどこが違う?

トラックには一般的な乗用車とは大きく違う部分がいくつもある。それは使用目的が荷物の運搬に特化されていることが理由だが、逆に同じ部分といえばタイヤがついている、原動力がエンジンであること以外、ほとんどはトラック専用の設計ともいえる。

なかでも運転席まわりは実際に乗ったことがない人にとっては未知の空間といえるかもしれない。そこで今回はトラックと乗用車の違う部分にスポットを当ててみたいと思う。

最初にトラックの運転席についてだが、これは乗用車のおよそ2倍の高さに設置されている。一般的な乗用車の運転席は地上から1.2〜1.8メートルほどの高さが平均的だが、大型トラックになると、その高さは2.4メートル以上にもなる。

このようにトラックの運転席が高い位置にあるのにはいくつか理由があり、そのひとつが視界確保のためだ。2メートル以上の高い位置から前方を見渡せることで、視界が広がり安全面にも貢献している。さらにより広い範囲を見渡せる環境は、長時間の運転でも疲れにくくなるという一面もある。

こうした運転手が感じる効果は運転席が高いことによる恩恵の一部であり、実際には乗用車よりもはるかに大きなエンジンを積むという構造上の理由もある。巨大なエンジンが運転席下部に設置されるために、運転席が高くなるのだ。

では運転席の設計はどうだろうか? 長い時間をかけて長距離を走るトラックにとって運転席の設計は非常に重要な項目のひとつ。とくに運転手がストレスなく運転を続けられるように快適性も重要視されている。

そのためシートも一般的なスプリング式ではなく、エアサスペンションと呼ばれる機能が採用されていることが多い。これにより運転時の衝撃や振動が軽減されるため、長距離を走行する場合にも疲労軽減に絶大な効果を発揮する。

ここで少しエアサスシートについて説明しておこう。エアサスシートとは、座席とボディの取り付け部にエアクッションが仕込まれているもののこと。乗用車でいうとボディにシートを固定するためのシートレールに当たる部分だ。この部分にエアクッションを挟み込むことで、ドライバーは快適な乗り心地を得ることができる。ではなぜこのエアサスシートはトラック特有の装備なのかといえば、重量物を運ぶためには頑丈なサスペンションが必要となるため、どうしても乗り心地優先という設計ができないからだ。それを補うのがエアサスシートというわけだ。

そして、トラック特有の設備と言えば仮眠スペースだろう。これは運転席内が広いトラックならではだ。中型や大型のトラックには、運転席の後ろに寝台が設置されている車両がある。これは、長距離輸送の際にドライバーが車内で休息をとれるようにするための設備であり、仮眠スペースのサイズは車両によって異なっている。おおよそ大人ひとりが横になれる広さがある。より快適に過ごすためには、寝台の大きさに合ったマットレスを用意し、外光を遮断できる。

このほかにもスイッチやメーターもトラックにしか付いていないものも多くある。例えば、エアサスペンションの調整スイッチ、トレーラーを繋いだ際のブレーキ系統のスイッチ、運行記録計、排気ガス中の粒子状物質を除去するDPF(DPD)などがそれにあたる。もちろん後部の架装が変われば、こうしたスイッチの種類や数も変わってくる。

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