ただ積めばよいというものではない!? 意外と難しいパレットの使い方

トラックドライバーの仕事がキツイといわれる理由のひとつに、荷物の積み降ろしがある。それを少しでも楽にするために、様々なマテハン機器が存在しているのだ。なかでも重い荷物を一度に積み降ろしすることが可能なパレットは、様々な輸送シーンで大変重宝されている。

門外漢からするとパレットはすべて同じ大きさのように見えるが、実は国ごとや載せる荷物ごとに様々な大きさのものが存在する。日本に限っても、「イチイチ」と呼ばれる正方形のT11型のほか、「四分六」と呼ばれる長方形のものなどが使われているのだ。1970年にJIS規格でT11型を一般輸送用として標準化したのだが、その普及率は3割程度に留まっているという。

ところが、「物流の2024年問題」によるトラックドライバー不足を受けて、この問題が再び注目を集めるようになったのだ。そこで、国土交通省が主導する「官民物流標準化懇談会」の「パレット標準化推進分科会」において、T11型を標準パレットにする方向で調整が行なわれることになったのである。

パレットを使用すれば輸送効率が向上することは間違いないが、トラックドライバーがすべての現場で荷物を触らなくとよいというわけではない。例えば、出荷の際にはパレットに荷物を手積みし、着荷先ではパレットごと納品するということもある。それでも、出荷・着荷ともに手積み手降ろしをするよりははるかに効率的なのだ。

パレットは平たい板状であり、かご車のように横から荷物を支えるような構造にはなっていない。すなわち、いい加減な積み方をすると荷崩れを起こす危険があるのだ。さらに、荷物は各所で検品を受ける。その際、いくつ積まれているかわかるようにしておかなければ、いちいち降ろして調べなければならなくなる。そういった問題が発生しないように、パレットには独自の積み方があるのだ。

まず、大前提として荷物をパレットからはみ出させてはいけない。多くの場合、トラックには複数のパレットを積むのだが、その際に荷物がパレットからはみ出していては、きれいに並べて積むことができなくなる。結果、輸送効率が悪くなってしまったり荷物が傷ついたりしてしまうのだ。

T11型でよく使われる荷積みの方法は、4本回しや8本回しと呼ばれるもの。これは、4つあるいは8つの荷物をパレットに並べ、1段ごとに組み合わせるように回すという積み方である。レンガやブロックの積み方とよく似ており、互い違いに積み上げるために荷崩れを起こしにくくなる。

「四分六」のパレットでは、7本積みが一般的だ。長方形なので回して積むことはできないが、2段目以降を逆向きに積むことで荷崩れを防ぐことができる。ただ、荷物の形状によっては同じ向きに積まざるを得ないことがある。この積み方は棒積みといい、荷崩れを起こしやすいので注意が必要である。

回し積みをした荷物を、さらにラップで巻けば完璧だ。荷物をがっちりホールドするので、よほどのことがない限り荷崩れを起こすことはない。しかも、雨などを避けることができてまさに一石二鳥である。このように、平たい板状のパレットに何気に積まれた荷物にも、それを大切に運ぼうとする物流関係者の思いが込められているのである。

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