意外と知らない?トラック独自のパーツとその役割

トラックも乗用車も、基本的には動力部・駆動部・操舵部などで成り立っており、走る仕組みに大きな違いはない。ゆえに、そういった場所に使われるパーツは基本的に似通っている。ただ、トラックは荷物を積むための荷台など乗用車にはない機能を持つ部分があり、そこには独自のパーツが使われていて独特の呼び名があるのだ。

一般の人に、もっとも分かりにくいパーツが「鳥居」だろう。これは、平ボディトラック荷台上のキャビン後方に設置されており、荷物の積載や固定・保護のほか、作業灯のようなアクセサリー取り付けなどを目的にしたものだ。パーツを構成するフレームの形が、神社の「鳥居」に似ていることからこの呼び名があるといわれている。

「アオリ」は荷台の側面や後方に取り付けられた、数十㎝の高さを持つ板状のパーツ。走行中は荷物が落下するのを防ぎ、積み降ろしの際は開放することで作業効率が上がる。平ボディだけではなく、ウィング車やダンプにも設置されている。材質は鉄製が多いが、軽くて錆びにくいアルミ製や腐食に強く耐久性の高いステンレス製もある。また、飼料や干し草のほか壊れやすい荷物を運ぶトラックは、木製のものを使用することがある。ちなみに、「アオリ」はあおり運転の「煽り」ではなく、馬具の「障泥(あおり)」が語源だという。

箱バンなどに見られる「サイドパネル」は、大きな板状のパーツ。多くの場合、材質にアルミを使用する。なぜなら、丈夫・軽量・腐食に強いといった特徴を持つからだ。断熱材を取り付けることで、保温や断熱の効果を持たせることもある。平らで相当の広さがあることから、広告などを掲示するのに適しており、社名やロゴを入れている車両も多い。アートトラックなら、箱絵を描くキャンパスになる。

ウィング車は荷台の両側面が大きく開く構造になっており、その部分を「ウィングサイドパネル」と呼んでいる。ウィングを開いてアオリを降ろせば、大量の荷物をフォークリフトで簡単に降ろせるようになる。ウィングは油圧により開閉するので、ボタン1つで操作が可能。大型トラックに取り付けられていることが多いので見た目は大きなパーツだが、余り労力のいらない扱いやすいパーツなのだ。

箱バンから荷物を出し入れするときには、後部の観音開きになる扉から行われていることが多いようだが、実はサイドパネルに扉が付けられている車両も少なくない。その扉を「サイドドア」と呼んでおり、スライド式と開き戸式がある。プラットホームなどではあまり使用しないが、路上や手狭な荷捌き上であれば積み降ろしポイントを柔軟に決められるので、積み降ろし効率や安全性向上に寄与する。

荷台以外にも、トラック独自のパーツは存在する。その代表的なものは、「サイドガード」だろう。これは、右左折時の巻き込み事故を防止するための物理的な安全装置。道路運送車両法・保安基準によって定められた規格のものを、必ず取り付けなければならない。別名、「サイドバンパー」という。このように、トラックには乗用車に見られないような興味深いパーツが多い。それらが合理的かつ機能的であることには、感心させられるばかりである。

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