特定技能制度で外国人トラックドライバーにも活躍のチャンス

「物流の2024年問題」は、日を増すごとに深刻化しているといわれる。具体的な課題となっているものの1つに、トラックドライバーの不足がある。この問題は、なにも一時期に大量の離職者が出たということではない。トラックドライバーの総数に大きな変化はないとしても、1人1人の働ける時間が法律で制限された(残業規制)ということである。これは、彼らが置かれていた過酷な労働環境の改善につながっているのだから、必ずしも悪いことではないはずである。

ところが、前述のように実質的な人手不足が起きているにもかかわらず、通信販売の普及などから手間のかかる小口配送は増加傾にあるのだ。運送事業者も「運べないものは運べない」と割り切れば楽なのだが、そう簡単なものではない。彼らの多くは中小・零細企業や個人事業者であるために、大手発送元の要請を拒否することは難しいのである。

そうなると、大々的に募集をかけてトラックドライバーを雇うしかないのだが、そこまで手も金も回らない事業者がほとんどだという。仮に募集をかけたとしても、なかなか思うように人が集まらないのが現実だ。日本人の応募が少ないのなら、外国人を雇えばよいのではないかと思うがそう簡単なものではない。

日本に限ったことではないが、外国から来た人を雇用するためには、受け入れる国が定める条件を整えて手順を踏む必要がある。わが国では、外国人が入国・滞在して活動する許可を得るために、在留資格(観光などの目的で短期滞在をする場合はビザだけでよく、一部の国にはそれも免除している場合がある)を取得することが求められる。これにはいくつかの種類があり、中でも就労が目的で在留が認められる場合には、就ける職業が厳しく制限されているのだ。

しかし、少子高齢化や人口減少による人手不足に対処するべく、この在留資格に2019年4月から新たに「特定技能」が定められ、2024年3月からはこれにトラックドライバーが追加された。この制度改正により、外国人がわが国で営業車両の運転手として、働くことができるようになったのである。

これまで、外国人にトラックドライバーの門戸が開かれていなかったのは、なにも日本人ドライバーの保護ばかりを図っていたのではない。トラックドライバーは交通ルールを熟知してそれを遵守すると同時に、一定のコミュニケーション能力を必要とする職業であるため、そういった能力を習得した人でなければ就業が難しかったからである。

そこで、「特定技能」の資格を得るためのルールが定められたわけだ。前提条件となるのは、

・一定の技能の習得(トラックドライバーの場合は運転技術や日本の交通関連法など)

・日本語能力基準のクリア

である。これらの習得完了を確認するために、日本語検定試験・特定技能1号評価試験(トラック)・第1種運転免許(運転を予定している車両に適合したもの)のすべてに合格する必要があるのだ。今後はこの制度を利用して、やる気のある優秀な外国人がわが国の物流の一端を、支えてくれるようになるのだろう。

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