大型トラックの狭いキャビンから漂ってくるのは、意外にも本格的な出汁の香りや、香ばしく焼けた肉の匂い。外食中心と思われがちな長距離ドライバーの世界で、今、女性たちの「車内飯」が劇的な進化を遂げているらしい。
なにかと激務が話題となるトラックドライバーという仕事だが、それは運転だけに止まらず駐車枠の争奪戦や限られた調理スペース、そして洗い物厳禁という縛りすらある。そんな過酷な条件下で、彼女たちはいかにして心とお腹を満たしているのか? 街道沿いの絶品グルメから、1畳の城で生み出される奇跡の自炊レシピまで、知られざるトラガールの美食事情を覗き見してみた。

トラック女子の食事事情は、美容以上に重要な問題であり、同時にもっとも個性が分かれるエンタメ要素でもある。
「ガッツリ系」のイメージが強いトラック飯だが、最近は健康志向や車内調理の進化が凄まじいのだ。
トラック女子の食事には多く3つのスタイルに分けられる。その一つ目がガッツリ男前ロードサイド飯だ。大型トラックが停められる店は限られているため、街道沿いのラーメン店や定食屋が聖地となっている。華奢な女性が、背脂たっぷりのラーメンや山盛りの中華丼を豪快にすする姿は、SNSでもたびたび見ることができる。

その一方で車内自炊するという女性も少なくない。じつは最近のトレンドは、外食に頼らず車内で自炊するスタイルだという話もある。これはポータブル電源の普及によって、炊飯器、電気ケトル、さらには小型のホットプレートを電力を気にしないで使えるようになったことも原因のひとつ。さらに洗い物を出せない車内では、耐熱ポリ袋で調理し、お皿を汚さず食べるなどの技ありテクニックもある。
こうした車内調理だが、トラックドライバーならではの利点もある。それがご当地食材の調達だ。配送先の道の駅や地元のスーパーで買った新鮮な野菜や肉を、その場で調理。究極の産地直送ディナーとなるわけだ。
こうした女子のトラック飯だが、調理の手間や味、店選びのほかに重要なポイントがある。それが美容と健康についてだ。特に美容に関しては女の子ならではの細やかな気遣いも感じられる。
例えば時間がなく、コンビニ飯で済ませる場合でも長時間座りっぱなしで足がむくむのを防ぐため、塩分を控えめにし、カリウム豊富なバナナやサラダチキンを組み合わせる「レスキュー飯」や、運転中でも片手で食べられ、かつポロポロこぼさないためのサンドイッチやスティック野菜を選んだりと、日々努力を欠かさないのが女の子なのだ。
最後にもうひとつ、女子ドライバーが悩むのはシャワー優先か、飯優先か問題だ。サービスエリアに到着した際、大型車の駐車枠は争奪戦になるあることが多い。しかし、駐車枠を押さえられたとしても、混雑するシャワーに先に並ぶか、ラストオーダーが迫る食堂に走るかが究極の選択となるのだ。

シャワーを浴びてさっぱりしたい、でもおなかも減ってるしレストランの閉店時間も近い。それでも汗をかきっぱなしでの食事は嫌だ。こうなると、シャワーか食事かどちらを優先するかで悩むというのが、なんとも女の子っぽいと言える。
このようにガッツリ系のデカ盛りから、工夫を凝らした車中自炊まで。トラック女子の食事事情を覗いてみると、そこには過酷な現場を笑顔で乗り切るための、等身大の楽しみが詰まっていた。もし道中で、美味しそうに食事を頬張る彼女たちの姿を見かけたら、心の中でお疲れ様とエールを送ってあげたいと思う。
