注意点もコツも普通のトラックとは違う トレーラーの運転技術

大きくて長い車体が特徴のトレーラーは走行している姿だけを見てもかなり迫力がある。フルトレーラーのその長さが最長で18mにもなるため、運転するのはどれだけ難しいかは推して知るべしというところだろう。運転席の高さこそ大型トラックと同じ程度だが、長い車体の後部を想像しながら右左折をすることを考えると、トレーラーのドライバーは非常に優れた運転技術を持つのは間違いない。

で実際にトレーラーの運転がどんなものかを調べてみたので説明していこう。最も基本的な事項としてトレーラーの運転は単体車両とは全く異なる挙動を示すということを知る必要がある。一般的な車と違い、トレーラーヘッドとトレーラーという二つの部分が連結されているため「折れ曲がる」という特性を持っている。そしてこの周りをいかにコントロールするかというのがポイントになる。

ではここで3つのシチュエーション別に、運転のコツをまとめてみよう。

 交差点での右左折では内輪差が最大のポイントだ。これはトレーラー最大の特徴が、トラクター(頭)よりもトレーラー(後ろ)が大幅に内側を通るからだ。そのため大きく膨らんでから曲がるという鉄則がある。

左折時は、単体車よりもさらに前へ突き進んでからハンドルを切り始める。その時はトラクターの右前角を対向車線にぶつけないよう注意しつつ、可能な限り外側にラインを取ることになる。いきなりトレーラーを運転する機会はないだろが、助手席に乗って右左折の様子を見ることができたなら「どこまで直進するんだ?」というくらいまで、交差点の奥へ突っ込むという感じになる。

つぎに死角の確認について見てみよう。トレーラーだけに限らないが、左折時の巻き込みは最も危険なポイントと言える。ミラーだけに頼らず、曲がり始める前に目視で自転車や歩行者がいないか徹底して確認する必要がある。

ではさらに話を進めていこう。ハンドルを切った後、後ろのタイヤが縁石に乗り上げないか、常にサイドミラーでトレーラーの挙動を監視し続ける、これも全長が長い構造では必須項目になる。

ここまでは前進しているときの話だったが、ではバックするときはどうだろうか。前に進むだけでも難しいのに、連結部分があるトレーラーをバックさせるときには、プロのドライバーでなければ、とうてい安全に移動できないほどの技術が必要となるのだ。

トレーラーを後退させるときに重要なのが逆ハンドルの習得だ。これはトレーラーのバックがハンドルを切った方向と逆に折れ曲がっていくため、直感とは逆の操作が求められるからだ。

例えば後ろを右に曲げたいときは、ハンドルを左に切る。そして連結部が折れ始めたら、今度はハンドルを戻して、折れ具合を調整しながら押し込んでいくという流れになる。さらに早めの修正をすることも必要だ。連結部分が一度折れすぎてしまうと、前進して立て直すしかなくなってしまう。そこで「少し曲がりすぎたかな?」と思う前にハンドルを戻し始めるのがコツなのだ。

ここまで出来たら、最後はトラクターとトレーラーが一直線になるように、余裕を持ってラインを整えて終了となる。言葉で描くと簡単そうだが、ある統計によると、第一種けん引免許で最大の難関と言われているのが「方向転換(バックでの車庫入れ)」で、この項目で不合格になる人が多いのだ。

こうした独特の技術が必要なトレーラーの運転だが、最後にトレーラー特有の現象にも触れておこう。

「走行中のジャックナイフ現象・スウェイ防止」

高速走行や雨天時は、連結車特有の危険な挙動に注意が必要だ。急ブレーキ・急ハンドルはもちろん厳禁だが、これは急な操作をすると、トラクターとトレーラーが「くの字」に折れ曲がるジャックナイフ現象が発生してしまうからだ。そのために減速は排気ブレーキやリターダーを併用し、早めかつ緩やかに行うのが基本と言える。

またスウェイ(蛇行)への対処だが、下り坂などでトレーラーが左右に揺れ始めたら、無理にハンドルで抑え込まず、軽く加速して連結部をピンと張るか、エンジンブレーキで徐々に速度を落とことで対応できる。

PHOTO GALLERY

ページトップに戻る