道路より厄介な物流の罠】フォークリフトがすれ違えない!?外からは見えない「倉庫内の渋滞」が起きる原因と4つの盲点

「商品はあるのに、なぜ出荷が進まない?」の謎を解く、フォークリフトのすれ違いや棚の前のバッティングなど、倉庫内に潜む目に見えない渋滞とその対策。

道路を走っていると、渋滞に巻き込まれることがある。前のクルマが進まない、合流で流れが悪い、交差点で詰まる。ドライバーなら誰もが経験する光景だ。だが、物流の現場で起きている渋滞は、道路上だけの話ではない。実は倉庫の中にも、目に見えにくい渋滞があり、しかもそれは、道路の渋滞より厄介なのだ。

倉庫内の渋滞と聞いても、一般の人には少し想像しにくいかもしれない。だが現場を見ればすぐにわかる。例えば通路でフォークリフト同士がすれ違えない。ピッキング作業者が同じ棚の前に集中する。梱包台の前に商品が滞留する。出荷待ちの荷物が仮置き場をふさぎ、次の作業の邪魔になる。こうした小さな詰まりが重なると、倉庫全体の流れが一気に悪くなるというわけだ。

通路幅はまさに「車線」!たった1個のパレットが引き起こす大きなロス

道路でいえば、倉庫内の通路幅は車線のようなものだ。十分な幅があれば、人も台車もフォークリフトも無理なく動ける。しかし通路が狭かったり、荷物がはみ出していたりすると、そこで流れは止まってしまう。たったひとつのパレットが通路に置かれているだけで、フォークリフトは大回りを強いられ、作業者は避けて歩かなければならない。わずかな障害物でも、倉庫内では大きなロスになる。

人と機械が交差する危険地帯!フォークリフト動線に明確なルールが必要な理由

さらにフォークリフトの動線も重要だ。倉庫の中では、人と機械が同じ空間で動いておりフォークリフトは便利な反面、重量物を扱うため危険も大きい。前進、後退、旋回、荷上げ、荷下ろし。その動きが交差する場所では、道路の交差点と同じように注意が必要になる。進行方向を決める、一方通行にする、歩行者通路を分ける、停止位置を明確にする。こうしたルールがなければ、作業効率だけでなく安全性も下がってしまうだろう。

棚の前で待ち時間発生?ピッキング動線の悪さが作業時間をじわじわ奪う

またピッキング導線にも渋滞は起こる。よく出る商品が倉庫の奥にあれば、作業者は何度も長い距離を歩くことになる。複数の人が同じエリアに集中すれば、棚の前で待ち時間が生まれる。商品配置が悪いと、行ったり来たりのムダな動きが増える。道路で遠回りを強いられるように、倉庫でも導線の悪さは作業時間をじわじわ奪っていく。

まるで料金所の渋滞!現場全体を詰まらせる「梱包・検品待ち」の滞留

さらに見落とされがちなのが、梱包待ちや検品待ちによる滞留だ。商品は集め終わっているのに、梱包台が空かない。伝票処理が追いつかない。出荷エリアに荷物が集中して、置き場がなくなる。こうなると、次の作業に移れず、現場全体が詰まっていく。道路でいうなら、料金所の手前やインターチェンジで流れが悪くなる状態に近い。

こうした渋滞を引き起こさないためにも倉庫内の交通ルールは非常に大切だ。通路に物を置かない。フォークリフト優先なのか、歩行者優先なのかを明確にする。曲がり角では一時停止する。死角にはミラーを付ける。荷物の仮置き場所を決める。こうした基本が守られている現場ほど、作業はスムーズで事故も起きにくいと言える。逆に、ルールがあいまいな倉庫では、ベテランの勘やその場の判断に頼ることになり、混乱が起きやすい。

トラックをいくら待たせても動かない。物流の効率化は「倉庫の見直し」から

物流の効率化というと、トラックの配送ルートや高速道路の渋滞対策に目が向きがち。しかし、荷物は倉庫の中を流れて初めて出荷される。倉庫内で詰まれば、どれだけトラックが待機していても荷物は動かない。つまり、倉庫の渋滞は物流全体の渋滞につながる。

道路の渋滞は外から見えるが倉庫の渋滞は、現場の中に入らなければ見えにくい。通路幅、フォークリフト動線、ピッキング導線、梱包待ち。そこに小さな詰まりがないかを見直すことは、物流を止めないための大切な第一歩である。倉庫はただ荷物を置く場所ではなく、荷物が安全に、無駄なく、流れるための立派な交通空間なのである。

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