【トラックも相乗りの時代へ】半分空っぽの荷台で走るのはもったいない!メリットだらけの「共同配送」が抱える現場の難題と解決の鍵

「別々に運ぶの、確かにもったいないかも…」と納得しちゃう、同じ方向の荷物をみんなで1台のトラックに相乗りさせる「共同配送」のこれからのカタチ。

タクシーにひとりで乗れば、車内の空いた席はそのまま走ることになる。目的地が近い人同士で相乗りできれば、1台の車で複数の人を運べる。そして、物流の世界で進んでいる共同配送も、これに近い仕組みだ。

共同配送とは、異なる会社の荷物を同じトラックでまとめて運ぶことを指す。たとえば、同じ地域のスーパーやドラッグストア、コンビニ向けの商品を、メーカーや卸ごとに別々のトラックで運ぶのではなく、行き先や時間帯を合わせて一緒に届けるのだ。

燃料も人手ももったいない!同じ方面へガラガラのトラックが何台も走る無駄

これまで物流では、会社ごと、商品ごと、取引先ごとに配送ルートが組まれることが多く、A社の荷物はA社の便、B社の荷物はB社の便という具合だ。しかし、それぞれのトラックが荷台いっぱいに積んで走っているとは限らない。半分しか荷物が載っていないトラックが、同じ方面へ何台も走っていることもあるし、帰り道は空車に近い状態で戻ることもあるわけだ。これでは燃料も人手も時間もかなりもったいない。

そこで共同配送となるわけだが、大きなメリットは、積載効率を高められることだ。1台のトラックに、複数の会社の荷物をうまく組み合わせれば、荷台の空きスペースを減らせる。荷物を人に置き換えると、空席だらけのタクシーを何台も走らせるより、行き先が近い人たちで1台に乗ったほうが効率的という話になる。物流でも同じで、同じ方向へ向かう荷物をまとめることで、必要なトラックの台数を抑えることができる。

コストを削りドライバーの拘束時間を減らす!「帰り荷」をうまく組み合わせる重要性

また空車を減らせることも重要なポイントだ。トラックは荷物を積んでいるときだけが仕事に見えやすいが、実際には荷物を下ろしたあと、次の積み地まで空のまま走る時間も少なくない。この空車走行が多いほど、燃料代はかかり、ドライバーの拘束時間も増え、道路の混雑にもつながってしまう。共同配送がうまく機能すれば、行きの荷物だけでなく、帰り荷や別ルートの荷物も組み合わせやすくなるというわけだ。

温度管理や伝票形式バラバラ問題!無理にまとめると現場の負担になる罠

もちろん、共同配送は簡単な話ではない。荷物には温度管理が必要なもの、壊れやすいもの、におい移りを避けたいもの、納品時間が厳しいものなどがあり、会社が違えば伝票の形式や検品方法も違う。納品先でのルールもバラバラだ。相乗りタクシーでも、全員の目的地や希望時間が違いすぎると不便になるように、共同配送も無理にまとめれば現場に負担がかかってしまう。

だからこそ必要なのは、ただ一緒に積むことではなく、情報をそろえることだ。どこからどこへ、どの時間帯に、どんな荷物を、どれくらい運ぶのか。こうした情報を共有し、ルートや積み方、納品順を設計していくことで、共同配送は初めて効果を発揮してくれる。そして、これには物流会社だけでなく、荷主や卸、納品先も含めた協力が欠かせない。

1社だけでは解決できない時代だからこそ。荷物の相乗りがこれからの物流を軽くする

これからの物流では、トラックを増やせば解決するという考え方は通用しにくくなるだろう。それはドライバー不足、燃料費の上昇、環境負荷、都市部の渋滞など、ひとつの会社だけでは解決できない課題が増えているからだ。だからこそ、荷物も相乗りするという発想が大切になる。

共同配送は、物流を特別に難しくする仕組みではなく、むしろ、限られたトラックと人手を上手に使うための知恵と言える。空いた荷台をそのまま走らせない。似た方向へ向かう荷物を一緒に運ぶ。その小さな工夫の積み重ねが、これからの物流を少しずつ軽くしていくのだ。

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