「アオられた」と思う前に! 無意識に周囲をイラつかせる運転とは?

後続車が車間を詰めてくる「煽り運転」。その背景には、追い越し車線への居座りや速度のムラなど、自分では気づきにくい運転が影響している場合もある。高速道路でトラブルを招きやすい走り方を考える。

「アオられる」原因は自分の運転にも?

長年ハンドルを握っていれば、誰しも一度は後続車から車間距離を詰められたり、不必要なパッシングを受けたりして「アオられた」と感じた経験があるだろう。近年、危険運転に対する社会の目は厳しくなり、罰則の強化も進んだ。不快な思いをしなくて済む環境が整いつつあるのは歓迎すべき変化である。しかし一方で、自分では気づかないうちに周囲を苛立たせ、無意識に危険な状況を引き起こしているケースもないわけではない。

もちろん、いかなる理由があろうとも後続を威嚇するような危険行為を行う側が、悪いのは言うまでもないことだ。だが、その引き金となる運転パターンを知り、自身のハンドルさばきを見直すことも、トラブルを未然に防ぐ上では極めて重要になる。とくに問題となりやすい高速道路でのケースから、なぜそうした状況が生まれるのかを整理してみよう。

[原因1]追い越し車線における長時間の居座り

高速道路の車線には、明確な役割分担がある。走行車線が空いているにもかかわらず、中央や右側の追い越し車線を走り続ける行為は、「通行帯違反」という立派な交通違反にあたるのだ。なかには、「法定速度を守っているのだから問題ない」という意識を持つ人もいるようだが、本来の目的以外で追い越し車線を塞ぎ続けることは、後続の流れを滞らせる大きな要因となる。周囲の安全な通行を妨げないためにも、追い越しを終えたら速やかに走行車線へと戻るのが原則だ。

速度のムラが周囲を翻弄する

[原因2]ペースが定まらない不規則な走行

もうひとつの典型的な例が、進行速度のムラである。とくに高速走行に不慣れなドライバーに見られがちだが、無意識のうちにアクセルを踏み込む量が変わって速度が上下するほか、上り坂や下り坂で速度が変化しているのにそれに気づかない走行は、周囲の車両を大きく翻弄する。また、先行車を追い抜いた直後に失速したり、抜かれた瞬間に無意識に加速して抜き返したりして加減速を繰り返すと、後続ドライバーは何度も不要な追い越しや制動を余儀なくされる。悪気がない行為であったとしても、周囲からは「妨害されている」「あおり行為を仕掛けられている」と受け取られかねない。

大型トラックの制限速度は乗用車より低く設定されている上に、スピードリミッターが装着されている。そういった条件下で、着荷・集荷時間を考慮した綿密なスケジュールを組んで運行しているのだ。さらに、燃費や安全性も考慮して巡航速度を維持している。ゆえに、高速道路で「同じ大型トラックに何度も追い越される」という現象が起きたなら、それは自身の走行速度が一定に保たれていないということにほかならない。

「アオられている」と決めつける前に

一定のスピードで走り続けるための解決策は、至ってシンプルだ。それは、スピードメーターをこまめに確認することである。緩やかな上り坂や下り坂、あるいは周囲の景色の変化によって、ドライバーの速度感覚は容易に狂ってしまう。視線をメーターに定期的に落として自身の速度を把握する意識を持つだけで、不自然な速度変動は大幅に抑えられるのだ。

大型トラックが後ろに迫ってきたとき「アオられている」と決めつける前に、一度走行車線にはいって時速を80㎞/h〜90㎞/h程度に保ち、ゆったりと走ってみてはどうだろうか。そのようにして自身の走りを客観的に捉えることができれば、無用な摩擦を生むことを避けられるかもしれない。安全で快適なカーライフを楽しむためには、周りの車両を思いやる気持ちが大切なのではないだろうか。

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