物流2024年問題でドライバーの収入はどう変わった?

2024年問題で労働時間は短縮された一方、残業代減少による減収も表面化した。施行1年後の調査から、物流現場が抱える課題を振り返る。

2024年問題で現場はどう変わったのか

2024年4月に「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の上限規制が、トラックドライバーに適用された。これにより、「物流の2024年問題」が現実のものとなってから、すでに2年という年月が経過した。現在でも業界全体の構造改革は途上にあるといえるが、とりわけ施行から1年が経過した時点(2025年春)で現場のトラックドライバーたちが直面していたリアルな実態と悲痛な声は、この問題の根深さを強烈に物語っている。

そもそも運輸事業は2024年以前から、慢性的な人手不足や低運賃構造といった多様な課題を抱え、解決の糸口を模索し続けていた。しかし、そうした業界の努力にもかかわらず現場レベルでは、厳しい労働環境と収益性の低迷が続いていたのだ。そこに追い打ちをかけるような形になったのが「2024年問題」である。

では、施行からちょうど1年が経過した2025年春の時点では、現場のドライバーや経営者を取り巻く環境はどのように変化していたのだろうか。ノンデスク事業者向け人材採用システムを手掛けるX Mile(クロスマイル)社が、2025年3月に実施した「物流業界の働き方に関する実態調査」(対象:経営者・役員185名、トラックドライバー720名)のデータによると、リアルな現実が浮き彫りになってくる。

残業削減の裏で収入減が表面化

これによると、トラックドライバーの月収は15万円〜35万円が主流を占め、35万円以上は全体の約23%にとどまっている。この収入構造に対し、2024年問題は容赦なく暗い影を落とした。施行1年間の影響として最も多かった回答が、「残業代が減り、収入が減少した」という悲鳴であり、それが回答者の34.8%(250名)に達していたのである。次いで、「拘束時間の増大」「取扱荷物量の減少」といった悪影響を挙げる声が多く見られた。

労働時間規制により、40時間/月を超える残業をするドライバーは全体の1/4以下となり、1/3以上は10時間/月未満に抑えられている。労働時間の短縮という点では一定の成果が見られたものの、歩合給や残業手当に頼っていたドライバーにとって、労働時間の削減はそのまま「死活問題となる手取りの減少」を意味していた。手放しで法改正を歓迎できないジレンマが、1年目の現場を大きく揺るがしていたのだ。

事業者側の改革もまだ道半ば

一方で、事業者側の対応には焦りと温度差が目立った。配送ルートの最適化や共同配送や作業の自動化に乗り出す企業がある一方で、なんと経営者の1/3が「導入した取り組みや施策はない」と回答したのである。また、改正物流関連二法に対しては、「ドライバー不足の深刻化」や「荷待ち時間の高止まり」を懸念する声が根強く、荷主に対して「適正運賃の設定」や「荷待ち時間削減への協力」を強く求める声が上がっていた。

「2024年問題」から1年。それは決して劇的な改善の年ではなく、減収に悩むドライバーの葛藤と、改革スピードの遅い業界構造が浮き彫りになった苦難の1年であった。現在、2年目を迎えて業界は更なる脱却を図っているが、1年目に顕在化した現場の声こそ、真の物流改革に向けた教訓とすべきではないだろうか。


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