ファミマなのにPORT STORE? 港にだけある謎のコンビニ

港で見かける「PORT STORE」。見た目はファミマやローソンなのに名前が違う。実は港湾で働く人を支えるために生まれた、街なかではなかなか出会えないレアなコンビニだ。

ファミマそっくりなのに名前が違う?

埠頭や港湾エリアを走っていると、街なかではあまり見かけないものに遭遇する。

ある日、飲み物を買おうと立ち寄ったのが、白と緑の看板を掲げたコンビニだった。配色だけを見ればどう見てもファミリーマートである。

ところが、よく見ると看板に書かれているのは「FamilyMart」ではなく「PORT STORE」。

「なにこれ? 偽物?」

一瞬そう思ってしまうが、もちろん怪しい店ではない。

ポートストアは東京港や横浜港などの港湾地区に設けられた売店で、港で働く人たちの生活を支える福利厚生施設のひとつだ。元原稿にもあるように、その運営には東京港湾福利厚生協会や横浜港湾福利厚生協会が関わっている。

港湾では倉庫やコンテナヤード、物流施設などが広範囲に点在する。一般の街のように、少し歩けば飲食店やコンビニがあるとは限らない。そこで働くドライバーや港湾労働者にとって、食事や飲み物、日用品を買える場所は重要なインフラなのである。

ファミマだけじゃない!ローソン版もある

面白いのは、ポートストアが独自の商品だけを並べた売店ではないことだ。

筆者が最初に見つけたのはファミリーマートタイプだったが、実はローソンタイプも存在する。

つまり「PORT STORE」というひとつのコンビニチェーンがあるのではなく、大手コンビニと提携しながら港湾向け店舗を運営しているわけだ。

実際、ファミリーマートの公式店舗検索には東京都江東区の「ポートストア若洲店」が掲載されており、24時間営業となっている。ローソンにも青海、有明、品川などに「ローソン ポートストア」の店舗が存在する。

見た目だけを真似した“そっくりコンビニ”どころか、それぞれのコンビニチェーンの公式な店舗網にも組み込まれているのである。

ポートストアという名称を知らなければ、「看板だけ名前が違うのはなぜ?」と戸惑うのも当然だろう。

レシートまで調べると正体が見えてくる

では普通のコンビニと何が違うのか。

実際に店内へ入ってみると、商品構成や棚の並び、レジ周辺などは一般的なコンビニとほとんど変わらない。

筆者はファミリーマートタイプとローソンタイプの両方で買い物をしてレシートまで確認してみた。

するとレシートには、それぞれファミリーマート、ローソンのロゴが入り、その下には「ポートストア○○店」と店舗名が記されていた。

さらに公式サイトで「ポートストア」と検索しても店舗がヒットする。

ちなみに東京港湾福利厚生協会が支えているのは売店だけではない。東京港では食堂や休憩施設など、港で働く人のためのさまざまな福利厚生施設が運営されてきた。ポートストアもその延長線上にある存在なのだ。

つまりポートストアは、観光客向けにつくられた珍スポットではなく、港の物流を支える人たちの日常から生まれたコンビニなのである。

それでも一般の人からすれば、遭遇する機会はかなり少ない。

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