突起物にしか見えないけれど、メリットも存在するデコトラの飾り

クルマの外観を飾り付けるパーツは、一般に「ドレスアップパーツ」と呼ばれている。代表的なものは、エアロパーツだろう。FRPやABS、ウレタンなどの樹脂で作られており、取り付ければ車両の空力抵抗を最適化し、見た目が流線型になるのでとてもかっこうがいい。これに対してデコトラの外装パーツは、金属製でごつごつとしているために厳つさばかりが目につく。

なかでも飛び出たように装着されているのが、「ラッセルバンパー」と呼ばれるフロントバンパーである。これは、先端を「く」の字型に尖らせていて、見方によっては槍の穂先のようにも感じられる。先端が尖ったバンパーのトラックに後方から迫られれば、突撃されているような感じを受けても不思議ではない。ところが、このパーツひとつで数百万円もするのだという。それだけ費用をかけたものならば慎重な運転をすることになるだろうから、かえって安全だといえるのかもしれない。

もうひとつ、車体から飛び出しているパーツがある。それは、サイドミラーの「ミラーステー」だ。ひとことでいえば、単にサイドミラーを支えるパーツに過ぎないのだが、その見た目が「いかにも」な造りになっているのだ。純正のミラーステーは細い円柱だが、デコトラのそれはフロントから大きくはみ出している上にステーが太い。バンパーに比べればそれほど大きなパーツではないのだが、目立つ場所にあるから厳つさが際立つ。純正サイドミラーの構造から考えれば、あれだけ大きなものが必要なのか疑問に思う人も多いようだ。

しかし、このミラーにはちゃんと実用的なメリットがある。それは、視認性のよさである。ミラーそのものの大きさは、純正とそれほど変わらないので見える範囲はほぼ同じといってよい。ところが、ステーが長くて突き出していることにより、助手席側では死角が少なくなる。さらに、運転席側も後方確認がしやすくなるのだ。

これは、乗用車のドアミラーとフェンダーミラーの違いに似ている。ドアミラーは鏡面が大きく映る範囲が広いのだが、運転手の顔のほぼ真横についているために、見る際には顔を大きく動かす必要がある。さらに、フェンダー下部が死角になるのだ。これに対してフェンダーミラーは鏡面は小さいものの、フェンダー前部に取り付けられているから、フェンダー下部にも目が届く。しかも、ミラーを見るために運転手の顔を動かす範囲が少なくて済む。ファッション性を重視する自家用車であればドアミラーがよいのかもしれないが、タクシーなどの営業車は多くが実用的なフェンダーミラーを採用しているのもうなずける。

デコトラのどでかいミラーステーも、乗用車のフェンダーミラーのように前寄りについている。運転手からはフロントガラス越しに確認が可能なので、顔を大きく動かす必要がない。また、左右のドアサイド直下も映るから死角も減らすことができる。ただ、純正と違って格納機能がないために、駐車中には邪魔だと思われてしまうことも。そのため、最近では格納可能なタイプを取り付ける運転手いるという。デコトラの飾りは趣味嗜好の範疇だが、これからは実用性を加味したパーツが増えていくことになるのだろう。

ページトップに戻る