土木・建設現場や公道などで、見かけることのある建設機械や特殊車両の数々。なんとなく知っているけれど、その正式名称や構造を理解している人は意外と少ないのではないだろうか。日常的に見かける車両もあれば、閉鎖された現場でしか使用されないものもあるのだ。
・塵芥車(じんかいしゃ)
正しく読める人は、意外と少ないかもしれない。現場や業界用語では「パッカー車」というそうだが、一般では「ゴミ収集車」と呼んでいる。なじみがあるのは家庭ごみを収集する自治体の車両(事業者が請け負っている場合もある)だが、事業系廃棄物を回収する専門事業者も多い。内部のプレス板や回転板で、ごみを圧縮して積み込む。一見シンプルだが、その圧縮機構は非常に強力だ。都市部の狭い路地を、走り回ることができる機動性の高さも併せ持つ。

・穴掘建柱車(あなほりけんちゅうしゃ)
読んで字のごとく、穴を掘って柱を立てるための車両。別名は、「ポールセッター」だ。トラックの荷台部分にクレーンと巨大なドリル(オーガ)を備えており、電柱の建設や電力変圧器(トランス)の設置、通信工事の基礎固めに欠かせない車両である。アウトリガーを張り出し、垂直に穴を掘るその姿は建設現場の華と言っても過言ではない。電線の新設やメンテナンス現場で、この車両が活躍している場面に遭遇することも多いのではないだろうか。

・モーターグレーダー
道路を平らに整地するスペシャリストが、この車両。最大の特徴は、前後の車軸の間に装着された長大なブレード(鋼板)である。これを斜めにセットし、土を削りながら一方へ寄せて路面を平坦にしていく。この車両をよく見てみると、前輪が「ハの字」に傾いていることがある。これは「リーン(傾斜)機構」と呼ばれ、ブレードにかかる土圧の反動で前輪が横滑りするのを防ぐための工夫だ。地面を踏み固めるロードローラーとコンビを組んで、アスファルトの下地を完璧に作り上げる。

・アーティキュレートダンプトラック
たいへん読みにくい名前だが、幼少期にミニカーや砂場遊びでそれとは知らずに親しんだ人も、多いのではないだろうか。「関節式ダンプ」や「重ダンプ」とも呼ばれている。一般的なトラックと決定的に違うのは、車体の前後が「関節」で連結されており、そこから車体が折れ曲がることで舵を切る点だ。この構造により、巨体ながら小回りが利き、タイヤが常に接地しやすいため、不整地や急勾配といった悪路での走破性が極めて高いのである。大規模なダム建設・鉱山開発・宅地造成の現場などで、泥を跳ね飛ばしながら突き進む姿は圧巻の一言である。

・スキッドステアローダー
アメリカのボブキャット社が、世界で初めて開発した小型ホイールローダーの一種。左右の車輪を独立して逆回転させることができるため、戦車のように「超信地旋回(その場旋回)」が可能。通常のホイールローダーが入っていけないような、建物の内部や狭い畜舎や農地などで活躍する。アタッチメントを付け替えれば、除雪・掘削・フォーク作業までこなす。ただ、国内で操作するには「車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用)運転技能講習」の修了が必要であり、見た目の可愛らしさに反して立派な建設機械なのである。

