「高圧・純水・ドライアイス」を利用した最新の洗車技術

長距離を走るトラックドライバーにとって相棒である車両を美しく保つことは、単なる趣味の範疇を超えた「プロの嗜み」といえよう。カー用品店やホームセンターなどで、熱心に洗車グッズを選ぶドライバーの姿は珍しくない。このときドライバーがこだわりを見せるのは、ワックスやコーティング剤による「仕上げ」ではないだろうか。

しかし、強固な汚れが蓄積しやすいトラックの場合、最も重要なのはその前段階である「汚れ落とし」にある。昨今、この洗浄技術は劇的な進化を遂げており、従来のホースによる水洗いとは一線を画す手法が普及しつつあるのだ。中でも、高圧洗浄機は驚異の洗浄力と節水性能を持っている。これはパスカルの原理を応用し、特殊ノズルから高い圧力をかけた水を噴射する装置である。その威力は凄まじく、フレームの泥汚れや下回りに固着した油脂類も、水圧だけで効率よく弾き飛ばしてしまうのだ。

注目すべきは、その節水性能である。勢いよく噴出する様子から大量の水を使っているように見えるが、実際にはホースで垂れ流すよりも遥かに少ない水量で済む。洗車する車両にもよるが、バケツ数杯程度の水で作業を完結させることも不可能ではない。ただ、この機器は住宅の外壁清掃用として発展した背景があるため、カー用品店よりも家電量販店やホームセンターでの取り扱いが中心のようだ。

水道水で洗車をしたときに、自然乾燥させると白い「水シミ(イオンデポジット)」が残る。これは水道水に含まれるミネラル分や不純物が、水分が蒸発する過程でボディに残留するためだ。この問題を根本から解決するのが、イオン交換樹脂を用いた純水器である。不純物を除去した「純水」で洗い流せば、乾燥しても跡が残らない。拭き上げ作業の手間を大幅に短縮できるだけでなく、デリケートな塗装面へのダメージも防げる。前述の高圧洗浄機と組み合わせることで、まさに「完璧な洗浄」が可能となるのだ。

エンジンルームや足回りの頑固な汚れに対しては、ドライアイス洗浄が威力を発揮する。エンジン周辺は電装部品が密集しており、安易な水洗いは故障のリスクを伴う。ドライアイス洗浄は、-78.5℃のペレットを高速で吹き付ける手法。汚れを瞬時に凍らせる熱収縮と、ドライアイスが固体から気体へ昇華する際の体積膨張(約800倍)を利用し、汚れを根元から剥離させる。水分を一切使用しないため短絡(ショート)の心配がなく、サンドブラストのように金属表面を削ることもない。オイル漏れの跡や融雪剤による汚れを一掃するには、最適の技術といえるだろう。

トラックの洗車は単に美観を維持するだけではなく、外装を始めとする車両全体の寿命を延ばすことにつながる。また、汚れの下に隠れたクラックやオイル漏れを、早期に発見するための「点検」の一部ともいえるのだ。かつてのような「力任せにこする」洗車から、物理法則や化学変化を利用した「スマートな洗浄」に、時代は移り変わっている。最新の洗浄機器を理解し、状況に応じて使い分けることがユーザーにも求められているのである。

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