トラック好きにとっての魅力のひとつが「単にそのサイズが大きいから」ということにあるのは間違いないだろう。巨体に様々な荷物を満載し、街道を整然と走る姿は、子どもにとっても単純に「カッコいい」とか「男らしい」と映るはずだ。さらにデコトラに代表されるような様々なカスタムを施されたトラックならば、そのインパクトは子どもに限らず見る者を圧倒してやまない。しかし、そんな見た目のインパクトが大きいのは大型トラックだけではない。そう、中型トラックの存在も見逃せない。車種的にはやや小さくなるものの、全国で稼働している台数も多いし、また大型トラックよりもカスタムベースとしての制約が少ない(全長など車両サイズに余裕があるため=カスタムデザインの自由度が大きい)という優位性もあるからだ。
そこでここではカスタム派にとっての王道車種である、日野レンジャーの勇姿を世代別に披露したい。代ごとに異なるベースとなるエクステリアデザインを生かしながら、時代や活躍しているエリアごと違いを見せる様々なアートアップした美麗な中型トラック8台を見ていこう。

初代のレンジャーは1964年に登場して以後、1984年まで継続した車種。この写真のレンジャーSDは1978年式で、1969年にヘッドライトが4つ目へと変更されたビッグマイナーチェンジ後のモデルだ。落ち着きのあるブラウンを基調カラーにしながらも、ウロコ柄のパーツをバンパー類に施すことでシックかつオリジナリティ高い外観を構築している(写真の車両は、新潟県の美匠丸)。

現在でも現役で活躍しているというこのレンジャーSDは、1978年式のユニック車。いまともなればとても貴重な旧車トラックだ。キャビンの一部を再塗装するなど旧車とは思えない輝きを放っている。ドアやフロント&サイドバンパーにはウロコ柄の模様を施すなど、全体に引き締まった印象となっている(写真の車両は、静岡県のヒロボディー所属車両)。

初代レンジャーの一部モデルの生産が続くなか、1969年に2代目がデビューする。そして1980年に3代目へと進化。通称「風のレンジャー」と呼ばれるモデルだ。写真の車種は1986年式のレンジャー4Eハイグレードというモデル。メッキパーツや大きなキャデラックバンパーが大きなカスタムポイントとなる一台だ(写真の車両は、長野県のさくら商店所属のかずちゃ)。

こちらも1986年式のレンジャー4Eがベースのアートトラック。ウロコ柄のステンレス製ドアバイザーなど、ポイントなる部分をカスタム。いわゆる舟型バンパーとの相性もいい。全体にクールで上品な印象に仕上がった(写真の車両は、長野県のさくら商会所属)。

4代目となるクルージングレンジャーの登場が1989年。さらに2001年にフルモデルチェンジを敢行。この5代目は「レンジャープロ」と名乗ることに。このモデルからトラックカスタム派を悩ますことになる「バンパーライト車」デザインとなった。写真のトラックは、そんなベース車両のデザイン変化を生かすかのようなシンプルかつ高級感あるコンセプトでまとめた。荷台箱のサイド扉やサイドバンパー、さらに3連装する燃料タンクなどをメッキ化。新しさと美麗さを兼ね備えたカスタムぶりは脱帽もの(写真の車両は、兵庫県の柴田商店所属)。

こちらのレンジャープロも細部の変更と全体のバランスに優れた美麗な外観をもつ。パンバーライト部分のヘッドライトを日産のY30(セドグロ)用に換装かつ奥目にセット。またバンパー下にメッキパイプを加えることで低く構えた印象へと変貌した(写真の車両は、愛知県の杉山商事所属の桃花丸)。

2017年国内のレンジャーがフルモデルチェンジ。通称17レンジャーと呼ばれている。写真のベース車両は2019年式だが、カスタムの大きな特徴がサイドバンパーとリアフェンダーだ。フロントパネルの日野の新ロゴ「H」からバンパー、そしてサイドへとメッキパーツで統一している(写真の車両は、兵庫県の成田商事所属の拓海丸)。
※本記事および画像は、2023年1月発行の『REAL TRUCKS 3』の一部を引用・再編集したものです。
