高速道路で見かける黄色いパトカーは、事故や故障、落下物などの異常に対応する緊急車両だ。専門訓練を受けた交通管理隊員が乗務し、車線規制や応急救護などを通じて高速道路の安全を支えている。
高速道路を走っていると、鮮やかな黄色に塗られたSUVなどの車両を見かけることがある。天井には赤色灯(黄色・赤色の複合灯タイプもある)を付けているから、緊急車両であることは間違いがない。しかし、警察のパトカー・救急車・消防車とは明らかに違う。一体彼らは何者で、どのような任務を担っているのであろうか。

警察ではなく高速道路会社が所有する緊急車両
いうまでもないが、黄色いパトカーは警察の車両ではない。NEXCO各社(東日本・中日本・西日本)・首都高速・阪神高速などの高速道路会社から、業務を委託された各社傘下のパトロール会社が運用しているものだ。彼らが存在する法的根拠は、「道路法」にある。高速道路を安全かつ円滑に保つ「道路管理者」として、責務を果たすための車両なのだ。

ゆえに、警察官のような交通違反の取り締まりや、違反者を逮捕するといった権限は一切持っていない。しかし、「緊急自動車」として登録されているから、サイレンと赤色灯を装備している。重大事故が発生したときなどはサイレンを鳴らして赤色灯を光らせ、現場に駆けつけるのだ。
採用される車両の種類と、ハンドルを握る隊員の乗務資格

黄色いパトカーは、トヨタ・ランドクルーザーや日産・エクストレイルのほか、三菱・アウトランダーなどといったSUVが多い。悪天候や未舗装路(工事区間など)でも、走破性が高くてタフな車両でなければならないからだ。車内や荷台には、発炎筒・カラーコーン・矢印板・ほうき・消火器・応急救護セットなど、現場で必要となるあらゆる資機材が満載されている。
この特殊な車両に乗務する交通管理隊員になるには、普通自動車運転免許(多くの会社でMT免許が必須)を所持しており、緊急車両運転の要件を満たせばその道が開かれる。ただし、採用後には厳しい社内訓練があるのだ。高速走行時の緻密な車両感覚・安全かつ迅速な車線規制の技術・落下物回収のタイミング・二次被害を防ぐための危険予知など、数ヶ月に及ぶ専門的な訓練と厳しい社内検定をクリアしないと、黄色いパトカーの乗務資格が得られないのである。
落下物処理から事故対応まで多くの業務を担う

黄色いパトカーと交通管理隊の最大の役割は、高速道路上の「あらゆる異常」にいち早く対応すること。基本任務は定期的な巡回だが、その過程でこなす業務は多岐にわたる。中でも、最も多くかつ危険なのが落下物の回収だ。
木材・プラスチックケース・荷物を覆うビニールシートや毛布・スペアタイヤなど、事故に直結する危険物を、約100km/hで行き交う車列の合間を縫って命がけで排除している。
また、交通事故や故障車が発生した際はいち早く現場に急行。発炎筒や発光表示板で後続車に注意喚起を行い、迅速に車線規制の手続きをして追突などの二次的な事故を防ぐ。さらに、警察・消防・救急が到着するまでの初期対応も担う。状況によっては、負傷者の応急救護も行うのだ。
私たちが何事もなく安全かつ快適に高速道路を走ることができるのは、昼夜を問わずに道路で発生する異常に目を光らせる、黄色いパトカーの存在があるからだ。彼らは間違いなく日本の大動脈の安全を根底で支え、ドライバーの命を守る重要な役割を果たしているのである。
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