排気ブレーキとリターダは、どちらもトラックの減速を助ける補助ブレーキだ。ただし、排気ブレーキはエンジンの排気抵抗を利用するのに対し、リターダは駆動系などに制動力を発生させる。特に長い下り坂では、フットブレーキの負担を減らすために重要な装備となる。
排気ブレーキは排気抵抗を利用して減速する
排気ブレーキは、主にディーゼルエンジンを搭載したトラックやバスなどで使われている補助ブレーキだ。
通常のエンジンブレーキよりも強い減速力を得るため、エンジンから排出される排気ガスの流れを制限し、その抵抗を利用して車速を落とす仕組みとなっている。
アクセルを戻した状態で排気ブレーキを作動させると、エンジン内部の抵抗が大きくなり、車両を減速させる力が強くなる。
特に重量のあるトラックでは、乗用車と比べて下り坂で速度が上がりやすい。そのため、フットブレーキだけに頼らず、排気ブレーキを併用することで速度を一定に保ちやすくなる。
ただし、排気ブレーキは車両を停止させるためのブレーキではない。あくまで速度を抑えるための補助装置であり、最終的な停止にはフットブレーキを使用する。
リターダは駆動系に直接制動力を発生させる
リターダも排気ブレーキと同じ補助ブレーキの一種だが、減速する仕組みが異なる。
代表的なのが、永久磁石や電磁力を利用するタイプだ。トランスミッションやプロペラシャフトなど駆動系の回転に抵抗を与え、車両を減速させる。
車種によっては流体の抵抗を利用する流体式リターダも採用されている。
リターダの特徴は、フットブレーキを使わずに比較的強い制動力を得られることだ。大型トラックやバスなど、車両総重量が大きい車両では特に効果を発揮する。
ただし、リターダも排気ブレーキと同様に車両を完全に停止させるための装置ではなく、最終的な停止にはフットブレーキを使用する。
また、ブレーキパッドやブレーキライニングを直接使わずに減速できるため、長い下り坂でフットブレーキの使用回数を減らす効果もある。
ただし、すべてのトラックにリターダが装備されているわけではない。車種や仕様によって標準装備、オプション設定、非装着などの違いがある。

長い下り坂では補助ブレーキを使い分ける
排気ブレーキとリターダの大きな違いは、減速力を発生させる場所と仕組みにある。
排気ブレーキはエンジンの排気抵抗を利用する。一方、リターダはトランスミッションや駆動系などに抵抗を発生させて減速する装置だ。
特に注意したいのが、長い下り坂での運転だ。
重量のあるトラックでフットブレーキを長時間使い続けると、ブレーキが高温になり、制動力が低下するフェード現象などにつながる可能性がある。
そのため、下り坂では事前に十分な速度まで減速し、エンジンブレーキや排気ブレーキ、リターダなどを活用して速度をコントロールすることが重要となる。
リターダ装着車であれば、排気ブレーキなどと組み合わせることで、フットブレーキへの負担をさらに抑えられる。
ただし、補助ブレーキの作動方法や制動力は車種によって異なる。実際の運転では車両の取扱説明書を確認し、道路状況や積載量に合わせて適切に使用することが大切だ。
