
最近ではその数が減っていると言われているのがキャビンの横に貼られている「一般」と書かれたステッカー。あまり目立つものではないが、いわれてみればそんなこと書かれていたなと想像できる人は少なくないはず。しかし、なぜ一般という当たり前のことをわざわざ表示するのだろうか? そもそも一般とは、何に対して一般なのか?という疑問を探ってみた。

この「一般」という表示は、一般貨物自動車運送事業で使う、営業所の管轄区域内の集配業務などに従事する車輌だという意味。簡単にいえば、人の荷物を有償で輸送するトラックという解釈でOKだ。
ひと昔前だと一般貨物自動車運送事業で使うトラックには必ず「一般」のステッカーが貼られていたが、規制緩和によりその表示義務はなくなったという経緯がある。そのため、新しいトラックには一般ステッカーを見かけることが少なくなっている。とはいっても一般ステッカーはネットでも入手できるので、比較的新しい車輌でもトラックドライバーの趣味で貼っているパターンもあるのかもしれない。
その一方で「自家用」というステッカーにも見覚えがないだろうか?

自家用ステッカーは自家用貨物自動車を意味するものでも、自社の従業員が運転して自社の荷物を輸送するトラックとなる。この場合、ナンバープレートは白ナンバー(軽自動車は黄色ナンバー)をつけており、有償で輸送業務(営業行為)を行うことはできない。
そしてこちらの自家用の表示は、1951年に制定された「道路運送法」の施行規則第65条において「自家用自動車は『自家用』と自動車の外側に表示しなければならない」と、明記されていたものの、1985年の省令改正で自家用貨物に関しては添付義務が除外されたことで、今ではその姿も徐々に減ってきているのは一般ステッカーと同じだ。
ここまでに解説した「一般」と「自家用」のほかにも緑ナンバーをつける事業用貨物自動車は、「運行」「特定」というものがある。
「運行」は、定期的に決まったルートを走るトラックで「特定」は荷主が1社に限られているときに表示される。
しかし、現在では不特定多数の荷主から集荷し全国に配送する「特別積合せ(特積み)」が主流になったため、いまでは特定トラックはレアな車輌となってしまった。
