トラックにプロジェクションマッピング。新たなアートの可能性!?

キャビンの後ろに、長方形の大きな荷台を持つパンボディタイプのトラック。外側には、金属板が使われていることが多い。本来、この部分は荷物を守ることが目的の壁なのだが、ここに社名・ロゴ・商品名・社員募集広告などを、掲載して走るトラックが非常に多い。あるいは、様々なアートを施している車両もある。

こういった行為は、街行く人や行違うクルマにメッセージを送っているということ。すなわち、バンボディは走る広告として大きな効果を有しているということである。実際に、バス・タクシーなどはすでに広告を事業として行っており、相応の増収につながっているという。一般の自家用車を対象にしたそういうビジネスもあり、広告掲出を仲介する事業者が存在する。

従来、車両に描かれる社名・ロゴ・アート・広告類は、塗料によるペイント方式が多く使用されていた。この方法で描くと仕上がりはたいへんきれいで、遠くからでもはっきり認識しやすいなどといったメリットがある。反面、製作や撤去の際に相当の時間と手間を必要とするなどといったデメリットが存在する。すなわち、描く前にしっかりと仕上がりをイメージしておかなければ、出来上がったときに「思っていたのと違うという」などという結果を、招きかねないリスクがあるのだ。

その後、コンピュータによるデザインの作製やラッピング技術が開発されたことにより、これらのデメリットは大幅に解消された。ほかにもマグネットシートの利用や、コンピュータ制御で塗料を噴霧する塗装装置なども現れ、車両にメッセージやアートを施し易くなってきている。近年、凝った社名・ロゴ表記やアートデザインを見かけるようになったのは、こういった技術の進化があったからだといってもよいだろう。

ただ、手描きよりも手軽になったとはいっても車両塗装は相応に大掛かりな作業である。そこで、今注目されているのがプロジェクションマッピング技術だ。すでに建物などでは行われているように、壁などをスクリーンに見立てて映像を映し出すテクニックである。壁が湾曲していても、映写装置とスクリーン全体が平行あるいは等距離でなかったとしても、映像の歪みをコンピュータで制御することで違和感をなく映し出すことができるのだ。

これを車両のボディに応用したものが、「オートモーティブワールド2025」に登場した、「オフセット超単焦点レーザープロジェクター」である。映像を移す際に、映写機は焦点距離の関係から投影対象物と、一定の距離をおいて設置しなければならない。建物に投影する場合は問題ないが、車両は移動するので映写機を車両から離れた場所に設置するのは難しいのだ。

ところが、短焦点のプロジェクターが開発されたことで、ドアミラー付近に映写装置を設置すれば、違和感のない映像がボディに投射できるようになった。これなら、静止画だけではなく動画を移すことができ、コンテンツも簡単に変えられる。車両に描く広告やアートの幅を、広げることができる可能性があるわけだ。ただ、この表現方法が現行法に適合しているかというと、現段階ではやや難しいといわざるを得ない。法律が技術の発展に追いつかないことはよくある話。何とかクリアして、見ていて楽しいバンボディを実現してもらいたいものだ。

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