トラックのエアタンクには、空気を圧縮する過程で生じた水分がたまることがある。水を放置すると配管やバルブの腐食、寒冷時の凍結などを招き、エアブレーキ系統に悪影響を及ぼすおそれがある。水抜きはエア系統を正常に保つための重要な点検項目だ。
エアタンクにはなぜ水がたまるのか
大型トラックなどでは、ブレーキをはじめとする各装置を作動させるために圧縮空気を使用している。コンプレッサーで作られた圧縮空気はエアタンクに蓄えられるが、その過程で空気中に含まれていた水分が結露することがある。
空気にはもともと水蒸気が含まれている。コンプレッサーで空気を圧縮すると温度が上がり、その後に配管やエアタンク内で冷やされると、水蒸気が液体の水へと変化する。
このため、走行を重ねるうちにエアタンクの内部には少しずつ水分がたまっていく。
現在のトラックには、圧縮空気中の水分を除去するエアドライヤーが装備されている車両も多い。ただし、エアドライヤーがあるからといって水分が完全になくなるとは限らない。使用環境や装置の状態によっては、エアタンク内に水分が残る場合がある。
水を放置するとブレーキ系に影響する
エアタンク内にたまった水をそのままにしておくと、エア系統のトラブルにつながる可能性がある。
代表的なのが、タンクや配管内部の腐食だ。水分が長期間残ることで金属部分にサビが発生し、部品の劣化を早める原因になる。
また、水分が配管やバルブなどへ入り込むと、正常な作動を妨げる場合もある。特に気温の低い地域では、水分が凍結してエアの通路を塞ぐ危険もある。
トラックのエアブレーキは圧縮空気を利用して作動するため、エア系統の状態は安全運行に直結する。タンク内の水分を定期的に排出することは、単に「タンクをきれいにする」ためではなく、ブレーキ系統を正常な状態に保つためでもある。
水分だけでなく、オイル分などが多く排出される場合には、コンプレッサーやエアドライヤーなどに異常がないか確認が必要になることもある。

水抜きはエア系統を守るための点検
エアタンクの水抜きは、タンク下部などに設けられたドレンバルブを開き、内部にたまった水分を排出する作業だ。
車両によっては手動式のドレンコックが付いているもののほか、自動的に水分を排出する装置を備えたものもある。そのため、水抜きの方法や点検時期は車種によって異なる。
重要なのは「水が出たら異常」というわけではなく、圧縮空気を使用する仕組み上、ある程度の水分が発生する可能性があるということだ。
一方で、毎回大量の水が出る、油分を多く含んでいる、以前より急に排出量が増えたといった場合は、エアドライヤーなどの状態を確認したほうがよい。
エアタンクの水抜きは地味な作業だが、エアブレーキをはじめとする空気圧系統のトラブルを防ぐために重要だ。日常点検や取扱説明書に従い、車両に合った方法で管理することが安全運行につながる。
