大型トラックのラダーフレームを見ると大量の穴が並んでいる。多くは架装や部品固定、クロスメンバー取付などに使う設計上の穴で、どこへでも自由に追加工してよいわけではない。
穴だらけでも強度が足りるように設計されている

トラックのシャシーを下から見ると、左右のサイドレールに丸い穴が規則的に並んでいる。初めて見ると「こんなに穴を開けて強度は大丈夫なのか」と思うが、これらの多くはメーカーが設計段階から配置した工場穴である。トラックは同じシャシーでも、ウイング、冷凍車、ダンプ、クレーン付きなど多様な架装に使われる。
そのためボディ取付ブラケット、クロスメンバー、配管・配線クランプ、燃料タンクや補機類などを固定できるよう、あらかじめ多くの取付位置が用意されている。穴の存在を含めて必要な強度や耐久性が計算されているため、「穴がある=弱い」という単純な話ではない。
最大の目的は架装自由度と部品配置

乗用車のモノコックボディと違い、大型トラックの多くはラダーフレームを基本とする。左右の長いサイドレールへ用途に応じた上物を載せるため、架装メーカーにとって取付穴は重要なインターフェースとなる。穴位置が標準化されていれば、溶接や追加加工を減らし、ボルトでブラケットを固定できる。整備時の部品交換もしやすい。
軽量化に寄与する穴もあり得るが、主目的を「肉抜き」と考えるのは正確ではない。むしろ重要なのは、必要な場所に部品を付け、車種ごとのホイールベースや架装条件へ対応することだ。
空いている場所に勝手に穴を開けてはいけない

では架装時に好きな場所へ穴を追加してよいかというと、答えはノーだ。フレームは走行中に曲げやねじりを繰り返し受けるため、穴の位置や径によって応力が集中し、亀裂の起点になることがある。特にフランジ部や高応力部分では加工を制限しているメーカーが多い。
追加穴、溶接、補強板の方法などは各メーカーの架装要領書に従う必要がある。工場穴も、すべてが架装用として自由に使えるとは限らない。穴だらけのフレームは雑に作られているのではなく、多用途なトラックを成立させるため、強度と架装性を両立させた結果なのである。
