ミキサー車あるある 洗車・洗浄は必須作業

ミキサー車のドライバーという仕事には独特のリズムがあります。ただ運転するだけでは終わらない、少し緊張感のある毎日です。

この仕事を語るうえで欠かせないのが、「時間」との付き合い方です。生コンは練り混ぜてから荷卸しまでにおおむね90分(条件によっては120分)以内という厳しい制限があり、この鮮度が品質を左右します。そのため、渋滞にはまったときの焦りはなかなかのものです。ほんの数分でも気が気ではありません。坂道発進や信号待ちでも、後ろの車との距離に思わず神経がいきますし、カーブではタンクの中で揺れる生コンに細心の注意を払います。見た目以上に繊細な運転が求められる仕事です。

現場に着けば、また違った気遣いが始まります。ポンプ車のオペレーターとの相性で、その日の流れが変わることもありますし、「ちょっと待って」と言われて本当にすぐ呼ばれることもあれば、思いのほか長く待つこともあります。狭い住宅街の現場では、電柱や看板、行き交う自転車に気を配りながら慎重に進む必要があり、毎回ちょっとした冒険のようでもあります。無線での配車指示に従って忙しく動き回る日もあれば、逆に時間がぽっかり空く日もあり、その波もこの仕事ならではです。

意外かもしれませんが、仕事の中で大きな割合を占めるのが洗車や手入れです。生コンは固まると簡単には落ちないため、こまめな洗浄が欠かせません。特に冬場の洗車は手がかじかむほど冷たいですが、それでもやらないわけにはいきません。ホッパーやシュートに付いたコンクリートを落とす作業のあとには、しっかり筋肉痛もついてきます。それでも、ドラムを叩いた音で状態を判断できるようになると、少し誇らしい気持ちにもなります。

日々の中で、自然と身につく感覚もあります。作業着や靴は白っぽくなり、天気予報はこまめにチェックするようになります。道路のわだちや低い枝の位置を覚えているのも、安全に運ぶための積み重ねです。ふと前を走るミキサー車のドラムの回り方を見てしまうのも、職業ならではの癖と言えるでしょう。

ちなみにミキサー車のドラムは、コンクリートが固まらないよう常に回転しており、回転の向きによって「撹拌中」か「排出中」かが分かる仕組みになっています。また、生コンは温度や水分量によって性質が変わるため、季節や天候に応じた調整も欠かせません。見た目は同じでも、実はとても繊細な材料なのです。

ミキサー車のドライバーは、運ぶというシンプルな仕事の中に、時間や環境、人との関わりがぎゅっと詰まっています。目立つ仕事ではないかもしれませんが、その一つひとつが、私たちの暮らしを支えているのだと感じさせてくれます。

街でミキサー車を見かけたら、ほんの少しだけその背景に思いを巡らせてみてください。あの一台にも、今日一日の緊張や工夫、ちょっとした“あるある”が詰まっています。そう思うと、いつもの風景が少し違って見えるかもしれません。

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