トラックの荷台に積まれた角材や段ボール片は、不要な端材ではない。荷物の下や隙間、荷締めベルトとの接触部に使い、荷重の集中や横ずれ、擦れ、箱つぶれを防いでいる。
角材は荷物を支え、動きを止める

荷台の隅に置かれた角材は、一般に台木、止め木、間隔材などとして使われる。重量物の下へ敷けば、荷重を分散でき、荷台の一部分だけに強い力が加わるのを防げる。荷物を床から少し浮かせることで、フォークリフトの爪や吊り具を差し込む隙間も確保しやすい。
積荷と前壁、左右のあおり、別の荷物との間に空間がある場合、そのまま走れば発進やブレーキ、カーブのたびに荷物が動いてしまう。そこで角材を隙間へ入れ、前後左右への移動を抑えるわけだ。
丸い鋼材やパイプ、ドラム缶など、転がりやすい荷物では、角材をくさびのように当てることもある。角材は単なる台ではなく、荷物の位置を保つための小さな構造材といえる。
段ボール片は擦れやへこみを防ぐ

段ボール片は、荷物と荷物の間、荷物と荷台の壁の間、荷締めベルトやロープが当たる部分などに挟んで使う。
家具や金属部品、塗装された製品へベルトを直接掛けると、締め付けによって擦れや傷、へこみが発生することがある。そこで角に段ボール片を当てれば、ベルトの力を広い範囲へ逃がしやすくなり、荷物の表面を守れる。
箱同士の隙間を埋める用途にも便利だ。走行中の振動で段ボール箱がぶつかり合うのを防ぎ、荷崩れや外装の傷みを抑える効果が期待できる。積み重ねた箱の間へ挟み、荷重や摩擦を調整する場合もある。
見た目は使い古した切れ端でも、荷物の形に合わせて折ったり重ねたりできる点が強みだ。専用品ほど丈夫ではないものの、現場ですぐ使える手軽な緩衝材として重宝されている。
荷締めを効かせるための補助道具

角材や段ボール片だけで、積荷を完全に固定できるわけではない。荷締めベルト、ロープ、ラッシングレール、滑り止めマットなどと組み合わせてこそ、本来の効果を発揮する。
割れた角材や強度の足りない木材を使えば、走行中に潰れたり外れたりする恐れがある。段ボール片も、水に濡れたり強く押しつぶされたりすれば、十分な保護材にはならない。重量物や角の鋭い製品には、専用のコーナーパッドや当てゴムを使うほうが安全なケースも多い。
積み込み後には、角材が確実に固定されているか、段ボール片が風で飛ばないかも確認したい。荷台から道路へ落下すれば、後続車にとって危険な障害物になるためだ。
トラックに積まれた角材と段ボール片は、余り物を持ち歩いているのではない。荷物を置きやすくし、動きを抑え、傷や変形を防ぎ、荷締めを確実にする。目立たない道具ではあるが、荷物を無事に届けるためには欠かせない存在なのである。
