トラクタとトレーラーの間に伸びるらせん状のホースは、ブレーキを働かせる圧縮空気の通り道。制御用と供給用の2系統があり、連結ミスや圧力低下は制動に直結する。
連結しているのはキングピンだけではない

セミトレーラーは第五輪とキングピンで機械的につながるが、それだけでは走れない。トラクタとトレーラーの間には、ブレーキ用のエアホースと灯火・ABSなどの電気ケーブルも接続される。特にエアホースは、トレーラー側に圧縮空気を供給し、運転者のブレーキ操作を伝える重要なラインだ。
一般的なフルエアブレーキ式のトレーラーでは、役割の異なる2系統のエアラインを使用する。一方はトレーラー側のエアタンクへ圧縮空気を供給する系統、もう一方はブレーキペダル操作に応じた制御信号となる空気圧を伝える系統である。
供給用と制御用、2本あるのには理由がある

トレーラーの各ブレーキへ毎回トラクタから大量の空気を直接送り込むだけでは、長い配管による応答遅れが大きくなる。そこでトレーラー側にもエアタンクを持たせ、供給ラインであらかじめ圧縮空気を蓄えておく。
運転者がブレーキを踏むと、制御ラインの圧力変化をトレーラー側のバルブが受け取り、近くのタンクからブレーキチャンバーへ空気を送る。これにより長い連結車でも素早く制動力を立ち上げられる。ホースの色やカップリング形状には車種・規格ごとの区別があり、誤接続を防ぐ工夫がされている。
外れや漏れは「トレーラーだけ止まらない」を防ぐ設計

連結部は旋回するたびに動くため、ホースには十分なたるみと耐久性が必要だ。短すぎれば旋回時に引っ張られ、長すぎれば車体へ擦れたり巻き込まれたりする。供給側の圧力が大きく失われた場合、トレーラー側で非常ブレーキやスプリングブレーキを作動させるなど、安全側へ働く仕組みが組み込まれている。
もちろん車種やシステムによって制御は異なるため、単純に「ホースが外れれば必ず即ロック」と考えるべきではない。重要なのは、あの細いホースが単なる配管ではなく、何十トンもの連結車のブレーキを一体として動かす生命線だということだ。
▼合わせて読みたい
